FILE NO 463 宮崎と周辺の植物
ヤマハタザオ Arabis hirsuta (L.) Scopoli
山旗竿 アブラナ科
撮影日 2010.6.9
撮影場所 県北部

 
北半球に広く分布するヤマハタザオは、国内では北海道〜四国・九州に自生するが、九州では宮崎と鹿児島の県境えびの市周辺が南限となっているそうだ。
 ハタザオ(旗竿)と呼ばれるのはその草形に由来するらしいが、ハタザオはハタザオ属でヤマハタザオ属にはスズシロソウも含まれるなど、アブラナ科は世界中で375属3,200種もあるといわれるだけに似たものが多くややこしい。
 宮崎では県西の一部と県北山地に少なめに自生し、小さく地味な花を周囲の草に紛れて咲かせるので、特徴的な草形を意識しなければ目につき難い。
 学名の「Arabis」は」アラビアのこと、種小名「hirsuta」はやや固い毛のあるの意味という。
画像1 杉と落葉樹の登山道、狭い樹間の道脇でごく小規模に群生した株。  
画像2 乏しい陽光の下、伸びた草丈は40〜60cmほどで茎は細くて花も小。 撮影:(2010.6.9 県北) 画像3 全体の草形。高さ50cmほどで、茎葉は上方に従って小さくなる。 撮影:(2010.6.9 県北)
画像4 花は茎の先で総状花序につくが、先端近くの花の横にはもう先行した長角果が見える。
撮影:(2010.6.9 県北)
画像5 花弁は平開して十文字に開き差し渡し4ミリほどになる。 撮影:(2010.6.9 県北) 画像6 長楕円形のガク片は4で長さ約3ミリ、花は長さ4ミリほどになる。 撮影:(2002.5.26 県北)
画像7 オシベ6の内4個がやや長いのはアブラナ科の特徴。花柱先端は窪む。 撮影:(2010.6.9 県北) 画像8 葉は長楕円形で基部は茎を抱き、縁には突き出た疎らな鋸歯がある。 撮影:(2010.6.9 県北)
画像9 葉の上面先端の拡大画像。縁の毛は途中で枝分かれしている。 撮影:(2010.6.9 県北) 画像10 葉の下面先端の拡大画像。 上面より毛が多く、脈は殆ど見えない。 撮影:(2010.6.9 県北)
画像11 葉の基部は耳状に広がって茎を抱き鋸歯は極端に突き出る。撮影:(2010.6.9 県北) 画像12 茎は下方に従って毛が多くなるが、毛は茎に貼り付くように寝る。 撮影:(2010.6.9県北)
画像13 茎には単純な白毛と、2〜3に枝分かれした白毛が混じっている。 撮影:(2010.6.9 県北) 画像14 葉柄がある根生葉はロゼット状で、茎葉よりも大きく両面に毛が多い。 撮影:(2010.6.9 県北)
画像15 果実は長角果で、花軸に沿ったように上に向かって直立する。 撮影:(2010.6.9 県北) 画像16 長角果は約1cm長の果柄の先で長さ4〜5cmにもなる。太さ約1ミリ。 撮影:(2010.6.9 県北)
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