FILE NO 396 宮崎と周辺の植物
ヨゴレネコノメ Chrysosplenium macrostemon Maxim.var. atrandrum Hara
汚れ猫の目 ユキノシタ科
撮影日 2007.3.18
撮影場所 日向市

 ネコノメソウの仲間は、日本の野生植物(佐竹義輔他4編 平凡社 1982年)によれば、北半球を中心に55種があり、ヒマラヤから中国、日本にかけて分布している30種の内日本には14種あるそうで、宮崎には変種を含め9種ある。
 イワボタンを母種とする変種4の内3個は地名を基に名付けられているのに、このヨゴレネコノメだけがヨゴレ(汚れ)と名付けられたのは、それだけ葉模様の印象が強い訳で、黄色い花序の苞とあわせて間違いなく目立つ。   
画像1 水の枯れた早春の林道脇の小さな沢、たいてい群生しているが、根生葉が根元で絡み合いながら株を保持している多年草。
画像2 花茎は高くても7〜8cmほどで、長い葉柄の根生葉と、
        対生する1〜2対の茎葉をつける。 撮影:(2007.3.18 日向市 )
画像3 花序は鮮黄色の苞が良く目立つが、虫媒花というよりそれから進んだ同花受粉花らしいから面白い。  撮影(.2007.3.18 日向市) 画像4 花序は基部にちいさな楕円形の苞があり、花は直径3ミリほどと小さく、オシベはガクから飛び出す。 撮影:(.2002.3.24 西米良村)
画像5 花に花弁は無く淡褐色のガク片4個は外に開かない。
 オシベは基本的に4個で開花前の葯は暗紅色。 
撮影:(2007.3.24 西米良村)
画像6 果実は左右角状に2裂する朔果で大きさは左右不同、大きい方は長さ7ミリほどある。
撮影:(2007.3.24 西米良村)
画像7和名猫の目は左右の果実が裂開する時の形のようだが、左右揃って開いたのは滅多に見られない。  撮影:(2007.3.24 西米良村)
画像8  角状に広がった果実の左が開いて中にある直径
           0.5ミリほどの種子が見える。撮影:(2007.3.21西米良村)
画像9 根生葉と茎葉。右側の根生葉は枝葉基部から根が伸びかけている。
撮影:(2007.3.24 西米良村)
画像10 長さ約4cm(内葉柄1cm)の葉の上面。脈を中心に灰白色の小斑点が群がって独特の模様を作る。  撮影:(2007.3.21 西米良村)
画像11 葉の下面、紫褐色で厚みがあり脈は見えない。鋸歯は10個内外。
撮影:(2007.3.18 日向市)
画像12 茎は柔らかい感じの角の丸い方形で無毛、暗紅褐色。 撮影:(2007.3.18 日向市)
画像13 中央に見える新株らしきものは、右の茎の基部から伸びた匍匐枝に繋がっているようだ。 撮影:(2007.3.24 西米良村) 画像14小株の根。画像9のような根生葉に細い根が伸びた結果、千切れたようにも見える。
 撮影:(2007.3.24 西米良村)
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