FILE NO 35 宮崎と周辺の植物
ヨウラクツツジ Menziesia purpurea Maxim.
瓔珞躑躅 ツツジ科
撮影日 2009.6.9
撮影場所 県北部

 別名を「ツクシツリガネツツジ」というように、宮崎、熊本、大分の県境地帯に自生する落葉低木で、国内に7種あるとされるヨウラクツツジ属は、北海道から屋久島までそれぞれ地域ごとに変異しながら広く住み分けている。
 国のレッドデータブックで絶滅危惧1B類に指定され保護の必要性大だが、平成3年の撮影時に比べその減少ぶりは悲惨と言う外ない。県内の識者によれば、原因の殆どは鹿の食害と判っているが、生育地の環境から防護ネット対策も困難という。 
画像1 山地の岩場に広がった中低木の広葉樹林内、谷の下から吹き上げる風に揺れる花冠は、瓔珞のようにゆらゆらとたゆとう。  九州以外では2009年発行の高知県植物誌にも記録がある。
画像2 1枚岩の上を流れる谷川のすぐ脇で高さは3mほどの幹から横に伸びて
     広がった枝で、谷横というやや明るい環境でまとまった枝群についた花。
 撮影:(2009.6.9 県北部 )
画像3 急傾斜の岩場に茂った樹々の薄暗い林中、時に差し込む太陽光に
     浮き上がる花冠だが、葉陰の紅紫色は役に立っているのだろうか。
 撮影:(2003.6.8 県北部 )
画像4 花序は枝先につくが脇から新葉が伸びて葉影になる。  撮影:(2003.6.8 県北部) 画像5 花序の花は5〜6個ほど。花柄長は約2.3cm、花冠長2cmほど。 撮影:(2009.6.9 県北部 )
画像6 花序は総状花序につくが、ごく短くて殆ど束生状に見える。  撮影:(2009.6.9 県北部 ) 画像7 紅紫色の花冠は先端ほど濃くなり、先はいびつに4裂する。 撮影:(2009.6.9 県北部 )
画像8 オシベは8個で花糸には短毛が多い。メシベはオシベとほぼ同長で約1cm、基部の子房は濃緑色。 撮影:(2009.6.9 県北部) 画像9 ガクは深く4裂し、裂片は長さ5ミリほどで縁に短い腺毛がある。花柄にも同様の腺毛が疎らにつく。撮影:(2009.6.9 県北部)
画像10 葉は互生するが、枝先に大小5〜6枚ほどが輪生状に集まる。
       殆ど水平状に展開した葉の先端は、腺状突起となって白く見える。
撮影:(2009.6.9 県北部)
画像11 葉序。互生しているが、横から見ると殆ど水平になっている。 撮影:(2009.6.9 県北部) 画像12 葉は長さ5cmほどの楕円形で柄の長さ約5ミリ。側脈は4〜5対。 撮影:(2009.6.9 県北部)
画像13 葉の下面は粉白色を帯びて上面に比べて目立って白い。   撮影:(2009.6.9 県北部) 画像14 葉下面は全面に突起毛があり、主脈には太い毛が散生する。 撮影:(2009.6.9 県北部)
画像15 枝は殆どが3叉状に出てその先端にだけ葉が広がる。  撮影:(2009.6.9 県北部) 画像16 幹の基部近くは平滑で赤褐色、上部では小さなひびが残る。  撮影:(2009.6.9 県北部)
画像17 太い枝は淡褐色で縦に細い小さな裂け目がある。 撮影:(2009.6.9 県北部 ) 画像18 ハナバチの仲間と思われる昆虫が蜜を吸っている。  撮影:(2009.6.9 県北部 )
画像19 果実はガクに保護された4個の球形状で大きさ4ミリほど。  撮影:(2009.9.21 県北部 ) 画像20 開花時期にも刮ハは種子を吐き出した形で残っている。  撮影:(2009.6.9 県北部 )
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