FILE NO 389 宮崎と周辺の植物
アカシデ Carpinus laxiflora (Sieb. et Zucc.) BL.
赤四手 カバノキ科
撮影日 2014.5.15
撮影場所 宮崎市

  北海道の西南部~本州、四国、九州の屋久島までと朝鮮半島から中国にかけて分布するという雌雄同株の落葉性高木、宮崎でも里山を含め山野に広く自生している。
  カバノキ科クマシデ属の仲間は花や果実の果実の形にそれぞれ特徴があるので慣れると簡単に見分けられる。  おばあさんの植物図鑑(斉藤政美文、椎葉クニ子さん語り、葦書房発行)の語りでは、「枝に赤味があっとがタケゾヤで、最初から真っ白いとがホンゾヤ、して、イヌゾヤちゅうのはホンゾヤとはまた、はだが違うとですよ」。
画像1 見上げた高さ6mほどの樹の枝先で風に揺れる果実 (ホンゾヤ)クマシデを参照 
画像2 高さ5mほどの若樹、赤っぽい枝は垂れた花の色で、
    この時期この色で遠くからでもアカシデだと分かる。
撮影:(2014.3.25 宮崎市) 
画像3 枝先から垂れ下がった赤っぽい花序はまるで果実が
      下がっているように見える。風に揺れてミノムシのよう。
撮影:(2014.3.25 宮崎市)  
画像4 若い花序を横から見ると確かに紙垂(四手)のように見える。
   紙垂とは神社等で、注連縄や玉串に付けて下げる特殊な
  切込みを入れた白い和紙のこと、四手は紙垂の当て字。
撮影:(2014.5.15 宮崎市)     
画像5 雌雄同株で花は同じ枝の、先端に雌花序がついて、
    下方に雄花序が下垂するが雄花序がやや早く開く。
            撮影:(2014.3.26 宮崎市)       
 
画像6 雄花序。長さ4cmほど、苞は黄色みある赤色で目立つ。苞の縁には白毛がはみ出ている。
撮影:(2014.3.25 宮崎市)   
  画像7 雄花序の拡大画像。苞の下にオシベが8個、葯は濃いレンガ色。葯より長い白軟毛が生える。
撮影:(2014.3.26 宮崎市) 
 
画像8 雌花序。長さ2cmほどで始めは枝先で上向くが徐々に倒れてくる。すぐに花序の基部から葉が展開してくる。撮影:(2014.3.26 宮崎市)     画像9 雌花序の拡大画像。やや広い披針形の苞1個と浅裂した2個の小苞の基部から2岐した赤い花柱が1個出てくる。撮影:(2014.3.26 宮崎市)  
画像10 葉は細い枝に互生して7~8cm(内葉柄部約1.5cm)、
      葉は小さいが脈が揃って葉縁にまで届きすっきり整然。
撮影:(2014.5.13 宮崎市) 
 
画像11 葉の上面。縁に目立つ鋸歯は重鋸歯で、側脈の凹みが良く見える。先端は尾状に細長く尖る。基部は円形。撮影:(2014.5.13 宮崎市) . 画像12 葉上面の拡大画像。脈上と脈腋には白くて荒い毛が揃って生える。毛は短くて肉眼では見えにくい。撮影:(2014.5.15 宮崎市) 
 
画像13 若い葉の葉柄には初め斜上した細い白毛が目立つが、やがて取れてなくなる。
撮影:(2014.5.13 宮崎市))
  画像14 葉下面の近接画像。白い毛が脈状に揃って並び、特に脈腋には集まって白く見える。
撮影:(2014.5.13 宮崎市) 
 
画像15 枝は平滑で暗い灰色で縦に目立たない筋目がある。撮影:(2014.5.13 宮崎市)    画像16 大きな幹では縦に白い筋が通ってごく浅く裂け目ができる。撮影:(2014.5.13 宮崎市)  
画像17 果穂は枝先に伸びた葉と同色で飾りのように垂れる。
      果穂は3cmほどの果柄の先に下がって長さ約7cm。
撮影:(2014.5.14 宮崎市) 
 
画像18 若い果実の苞。長さ約1.5cm、基部で3裂し縁に鋸歯が出る。脈上に始め毛がある。撮影:(2014.5.14 宮崎市)    画像19 若い果苞に隠された内部の基部を見ると下部が膨らんだ円錐形の果実がある。 撮影:(2014.5.14 宮崎市) 
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