FILE NO 654 宮崎と周辺の植物
アキグミ Elaeagnus umbellata Thunb.
秋茱萸 グミ
撮影日 2010.10.29
撮影場所 県西部

 
国内に10種以上もあるグミの類は種ごとに限定された範囲に自生しているが、アキグミは北海道南部~九州まで比較的広範囲に見られ、遠く朝鮮半島~中国、ヒマラヤあたりまで分布するという。
 グミ類の果実は長楕円状で垂れ下がるのが多いのに対してアキグミの果実は丸みが強くて垂れ下がらないという特徴がある。
 グミはグイの実で、グイ(刺)のある木の実を語源とする説が主だが、倭名類聚抄(934年源順)に漢名胡頽子(ナワシログミ)を和名クミ(久美)、モロナリ(毛呂奈里)と記載されているので、くみやグミの呼び名はあったようにも思える。
 宮崎の山野にも普通。最近は遊びにも果実を食べることはない
画像1 まだ葉が残っているが、落葉後は赤い果実が目立たって美しい。 落葉性の低木で刺が長く強い。
画像2 白い花は陽光を反射して白く光る新葉の間に紛れて判らない。
       3mほどの高さの樹は周囲の新緑の中に遠くからでも良く目立つ。
    撮影:(2010.6.6 鹿児島県
画像3 花は葉腋から数個が束生し、花弁はなく先が4裂したガクが花弁の
     ようにみえるが、遠くからは全体が白く見えて開花が分かりにくい。
撮影:(2004.5.8 県西部
画像4 長さ7ミリほどの花は基部に向かって僅かづつ細くなる。ガク筒は上質の和紙が皺状になったようで、全体が銀白色の鱗状毛に覆われる。
撮影:(2004.5.8 県西部
画像5 花は三角状のガク裂片が平開し、4個のオシベの葯がガク筒開口部から僅かに顔を出す。メシベ1個はやがてオシベより長く伸びてくる。左画像参照。
撮影:(2010.5.18 県西部
画像6 (上面)葉は長楕円状披針形~長披針形で、若葉では白色の鱗状毛が密生するが後無毛となる。
撮影:(2010.5.18 県西部
画像7 葉の脈は鱗状毛に覆われて見えにくいが陽光に透かすと5~6の側脈がはっきりする。
撮影:(2004.5.8 県西部
画像7 若い葉の上面の拡大画像。 鱗状毛が全体にまんべんなく散らばっているが、
    特に主脈部に集まって多い。葉は長さ7~8cmほどで基部はくさび形になる。
撮影:(2004.5.8 県西部
画像8 葉は膜質で柔らかい。若葉の下面では上面に比べて特に白さが目立つ。
撮影:(2010.5.18 県西部
画像9 若葉の下面拡大画像。銀白色の鱗状毛が密生して葉面全体を覆っている。
撮影:(2010.5.18 県西部
画像10 枝先端部、幼芽も鱗状毛に完全に覆われる。 葉柄は長さ約7ミリ。 撮影:(2006.11.11 県央部 画像11 若い枝から伸びた枝は初め刺状だが、やがて横から芽が伸びてくる。 撮影:(2010.10.14 県央部
画像12 若い枝と刺。全体が鱗状毛に覆われて赤褐色の斑点が目立つが徐々に白っぽくなってくる。
撮影:(2010.10.29 県西部
画像13 枝は年数が経つに連れて鱗状毛が無くなって色が変わり、 樹皮の皮目が目立つようになる。
撮影:(2010.10.29 県西部
画像14 果実は淡緑色から段々黄みを帯びて赤く熟し、直径6ミリほどのやや縦長の球形になる。 花柄は長さ約9ミリほど。撮影:(2010.10.29 県西部 画像15 果実の拡大画像。表面全体にに小さな鱗状毛が散らばっている。この時期もまだ花柄、小枝の鱗状毛は顕著。撮影:(2010.10.29 県西部
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