FILE NO 687 宮崎と周辺の植物
フカノキ Schefflera octophylla (Lour.) Harms
ふかのき ウコギ科
撮影日 2013.12.25
撮影場所 宮崎市

  宮崎県の南部を自生地北限とする常緑高木で、~琉球~台湾、中国大陸南部~インドシナ・フィリピンの海岸近くに分布、自生地が限られるため国内ではあまり知られてない。
  和名ふかのきの由来は不明、同じウコギ科にタラノキがあるが、魚のフカやタラとの関係があるような説も聞かないし、共に語源について納得できるような説は見当たらないようだ。
 アンブレラツリーと呼ばれて良く知られる観葉植物の通称カポックは和名をヤドリフカノキという。
画像1 海が見える陽当たりのよい照葉樹林、道から遠望できる花
画像2 手を伸ばせば届く頭上で葉間に伸びた花枝、花と若い果実が同居。
撮影:(2013.12.29  宮崎市 )  
画像3 花が散ったばかりの若い果序で、大きさは差し渡し30cmほど。
撮影:(2013.12.29  宮崎市 )  
 
画像4 高さ10~15cmほどの花序は大きな円錐花序になって枝を分けて広がり、葉の上に被さるように咲く。 撮影:(2013.12.25  宮崎市)     画像5 花序の枝(長さ3cmほど)につく花柄先の花は明らかに散形状。花序には花と若い果実が同居する。撮影:(2013.12.25  宮崎市)  
 
画像6 大きさ6ミリほどの花は両性花で、黄緑白色の花弁5、長さ約3ミリのオシベ5がある。
撮影:(2013.12.25  宮崎市)  
  画像7 長さ約4ミリのガク筒には星状毛が密生する。ハク筒基部には苞がある。
撮影:(2013.12.25  宮崎市)  
画像8 葉は互生し長さ10~30cmほどの葉柄がついて大きく広がる。
    葉柄は枝の最上部の葉よりもやや下付近につく葉が最長。
       撮影:(2013.12.29  宮崎市)
 
画像9 (葉上面)葉は掌状複葉で、小葉は3~10個と大きさや数にもばらつきが多い。 
撮影:(2013.12.29 宮崎市)
画像10 小葉の葉柄はしっかりして葉面が均等に上向きになるよう保持している。
撮影:(2013.12.29 宮崎市)
 
画像11 葉の上面。葉は狭長楕円形で先端は尖る。縁は波打って上側に少し反る。 艶は無い。
撮影:(2013.12.29 宮崎市)
  画像12 葉上面基部。中央脈はへこむがそれ以外の脈は殆ど平坦、成葉時にも星状毛が残る。
撮影:(2013.12.29 宮崎市) 
 
画像13 下面はやや菁緑色気味。小葉柄は掌状の親・小指の葉で1.5cm、中指辺りで4.5cmほどと変化がある。 撮影:(2013.12.29 宮崎市)   画像14 葉下面の拡大画像。ほぼ全面に星状毛がある。側脈は途中から小さくなって葉縁では細脈に紛れる。 撮影:(2013.12.29 宮崎市)  
画像15 葉下面の星状毛の拡大画像。植物体の全体にある毛も同じ。 
撮影:(2013.12.31 宮崎市)
 
画像16 葉柄基部。葉柄は手で簡単に取れる構造になっている。葉は軸に対して少しづつ角度を変えてつく。 撮影:(2013.12.29 宮崎市)      画像17 花の時期にもう次の新葉が顔を出し始めている。葉柄共に灰褐色の毛で覆われている。
撮影:(2013.12.29 宮崎市)   
 
画像18 若枝は緑色で縦の皮目があるが、古くなると灰褐色になる。丸V字型の溝は葉痕。
撮影:(2013.12.29 宮崎市)   
  画像19 樹皮は灰褐色で小さな皮目が全面にある。幹の下部には枝が出ることが少ない。
撮影:(2013.12.29 宮崎市)   
 
画像20 若い果序。別の枝には未だ花が咲いている時期だがもう完全な果実の形になっている。
撮影:(2013.12.29 宮崎市)   
  画像21 果実は直径5ミリほどの球形で、5~6月に熟して黒紫色になる。
撮影:(2013.12.29 宮崎市)   
 画像21 樹形。枝は樹の上部から出て大きな掌状葉が広がって丸い樹冠
   になる。画面右上は開花中。 撮影:(2013.12.25 宮崎市)
画像22 (参考)宮崎市内の民家で見かけたヤドリフカノキの仲間。
      熟して黒紫色に変化する途中の色が混じって興味深い。
   2006.6.24 宮崎市青島近く白浜集落の民家で写す。
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