FILE NO 709 宮崎と周辺の植物
フナバラソウ Cynanchum atratum Bunge
舟腹草 キョウチクトウ科←ガガイモ科
撮影日 2016.7.5
撮影場所 野尻町

 
北海道~九州までと、朝鮮や中国の草原に分布するという多年草で、宮崎では草原の減少に比例して個体数が減ってきている。里山の迫田脇の草地で花を見かけることはあるが、丁度その頃雑草防除で刈られることが多く、果実を目にすること少ない。和名は果実が舟の胴体(熟果が縦に2裂した時のボート状の形を想像?)に似ているからだという。ロクオンソウの呼び名もあるというが、ロクオンソウという種は別に存在しているので注意が必要。 種小名の「atratum」は黒いの意味で、花の色を示している。
画像1 迫田脇の里山の傾斜草地、 高さ約70cmの株についた果実
 画像2 花は茎の上部で、対生する葉の葉腋にかたまって咲き、独特の紫黒色。
撮影:(2009.5.21  野尻町)
 
 
画像3 茎は枝分かれすることなく伸びて大きな葉を対生する。葉の形状は付く位置によっても、長短、広狭かなり変化する。撮影:(2015.5.9  須木村)     画像4 大きな葉の基部に伸びた短い総花柄からさらに短い小花柄が出て、団子状にまとまった花をつける。撮影:(2009.5.5  野尻町)
 画像5 花は1cmほどの長さの小花柄の先に開いて深く5裂し、裂片先端を
      結んだ円形は直径2~2.5cmになる。ガク裂片は多毛で長さ約5ミリ。
撮影:(2009.5.21  野尻町)
 
  画像6 花冠は初めは平開するが、やがて裂片は外側に反り返って膨らんだように見える。
     花冠喉部にある黄白色部周囲は5個の副花冠で、その中心部の蕊柱も高さは同じ。
撮影:(2009.5.21  野尻町)
画像7 蕾時の花冠。ガクは深く5裂して披針状、柔らかい毛が密生する。
撮影:(2009.5.5  野尻町)
 
画像8 花冠の色は、赤味の強い濃紫色から黒に近い濃紫色まで変化が多い。
撮影:(2009.5.5  野尻町)
 
画像9 葉は長さ8ミリほどの葉柄から展開、長楕円形、楕円形、卵形と
     変化に富み、やや厚ぼったくて全体に柔らかい毛が密生する。
撮影:(2009.5.5  野尻町)
 
画像10 葉の上面。葉身は縦10cm、横7cmほどで先は急に尖る。撮影:(2009.5.5  野尻町) 画像11 葉上面のアップ。全体に白軟毛が多い。葉縁にもある。撮影:(2016.7.5  野尻町)
 
 像12 葉の下面。やや緑白色をしており脈は目立って隆起している。 撮影:(2009.5.5  野尻町)   画像13 葉下面のアップ。葉縁にも、脈上、葉身部にも白軟毛が密生する。 撮影:(2016.7.5  野尻町)
 
 画像14 葉の上面から葉柄にかかる位置の毛の状態。葉柄裏(下)面の毛が目立つ。
撮影:(2016.7.5  野尻町)
   画像15 茎と葉柄基部の毛の様子。植物体全体にこのような軟毛が生えている。 茎は太さ5ミリほど。
撮影:(2009.5.1  野尻町)
画像16 果実は袋果で長さ8cmほどの披針形、果柄は曲がって上に立ち上がる。
       晩秋、熟すと縦に2裂してボート状になり、中から長毛の種子を吐き出す。
撮影:(2016.7.5  野尻町)
 
 
画像17 果実下部。一つだけ果実に成長した痕跡が残る。ガク片は未だある。 
撮影:(2016.7.5  野尻町)
  画像18 果実の先端部。表面には全体に短い軟毛が生えて手触りはビロード状。 
撮影:(2016.7.5  野尻町)
 
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