FILE NO 165 宮崎と周辺の植物
フタリシズカ Chloranthus serratus (Thumb.) Roem. et Shult.
二人静 センリョウ科
撮影日 2009.5.4
撮影場所 県北部

 フタリシズカは北海道〜九州の林内に見られる多年草だが、引き合いに出されるヒトリシズカが樺太、満州にまで広く分布して中国で古くから血行を良くする薬効があるとされるのに対し、特段の実用効果も聞かない。
 和漢三才図会(寺島良安著 島田勇雄他2訳注 平凡社 東洋文庫527)に、似ても似つかぬ絵とともにフタリシズカには「謡歌に静女の幽霊は2人となって同じく遊舞した」と解説にあるが、ヒトリシズカは吉野静の名で解説され、当時はヒトリシズカの名はなかったことが分かる。
画像1 名はフタリシズカだが、花穂は2本を主に1〜5本と変化が多い。   
画像2 命名の基になった2本の花穂の株、茎先端の葉の間から5〜6cmほど
     立ち上がった花序は、米粒より小さい疎らな白い花を穂状につける。
撮影:(2007.5.11県央部 )
画像3 花穂は、2本の場合が多いが、1本から多い時は5本も立つことがある。
撮影:(2001.5.19 県西部 )
画像4 花はメシベ1を、オシベ3の白い花糸が曲がって包み込みむ。 撮影:(2004.5.15 県北部) 画像5 茎は無毛で、緑色に白っぽい小さな縦の斑点が入る。 撮影:(2007.5.11 県央部 )
画像6 大きさ3ミリほどの丸まった花糸のうち両側2個の先端に黄色い葯がつく。
撮影:(2007.5.11 県央部)
画像7 花が済んだ後、茎下部の鱗片葉基部から花序が伸びて閉鎖花をつける。
撮影:(2007.7.16 県央部)
画像8 上部で対生する葉は普通2対、時に3対が出て水平に広がる。
       葉の大きさは長さ15cmほど、両面無毛で縁の鋸歯は規則正しい。
撮影:(2007.5.11 県央部)
画像9 葉の下面には小さな脈までが突出し凹凸が目立つ。 撮影:(2007.5.8 県央部) 画像10 先端の葉は上からは輪生に見えるが、対生している。  撮影:(2007.5.8 県央部)
画像11 花後、果穂はだんだん横に倒れて熟す頃には水平になる。 撮影:(2007.7.16 県央部) 画像12 果実は淡緑色で大きさ3ミリほどの倒卵形で先端が尖る。  撮影:(2007.9.9 県央部)
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