FILE NO 379 宮崎と周辺の植物
ヒトリシズカ Chloranthus japonicus Sieb.
一人静 センリョウ科
撮影日 2008.4.12
撮影場所 県中部

  北海道から九州まで、南千島や中国東北部に自生する多年草で、宮崎では南部を除いた林内で見られる。
  一人静の静は源義経で有名な静御前に因んだと云われ、良く似たフタリシズカ(二人静)と対になった和名。
  和漢三才図会16(寺島良安著、東洋文庫521)に、古名つきねぐさは及己(漢名)で和名抄に出てるとある。
  謡曲の二人静に因んだフタリシズカの花穂は通常2本だが、花穂が1本なのでヒトリシズカだとの説は頷ける。
画像1  林縁の農業用水路わき斜面、周囲の草に先がけて高さ25cmほどの茎が並ぶが、横に伸びる根茎から次々と茎が伸びることによる。
画像2  葉が開きかけたばかりの若い花。少し傾いた上品で
     頼りなげな感じは、静御前のイメージがなくも無い。
撮影:(2008.3.29 県中部)
画像3  花は茎頂に3cmほどの総状花序となってつくが、オシベ、メシベは入り組んで
   判りにくい。正面最下の白い3本のオシベは基部でメシベに接している。
撮影:(2008.3.29 県中部)
画像4  上から見た花序。白いオシベは基部で3つに分岐して長さ約3ミリほどの棒状になる。
オシベ基部の上の丸い部分がメシベ柱頭。
撮影:(2008.4.12  県中部)
画像5  棒状に3岐した白いオシベ花糸の外側2個の下部に黄色い葯がつく。別名の眉掃草はこのブラシ状の花穂の形から来ている。
撮影:(2007.5.2 県北部)
画像6  長さ10cmほどの茎頂の葉は4枚の輪生に見えるが実は違う。 撮影:(2004.5.1  県北部) 画像7  葉は基部を良く見ると、対生する節間が詰ったものと分る。  撮影:(2007.5.2  県北部)
画像8   葉は両面無毛、脈は細脈まで見えて下面側に突出する。 撮影:(2007.5.2  県北部) 画像9  葉は茎の節にも膜質の鱗片葉がある。茎は初め赤紫色。 撮影:(2006.4.23  県北部)
画像10  果茎は花後緑色になった茎と直角に、5cm近く伸びる。  撮影:(2007.5.10  県北部) 画像11   果実(未熟)は長さ5ミリほどのいびつな倒卵形。 撮影:((2008.4.11  県中部)
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