FILE NO 319 宮崎と周辺の植物
フユイチゴ(カンイチゴ) Rubus buergeri Miq.
冬苺(寒苺) バラ科
撮影日 2014.8.6
撮影場所 宮崎市

  千葉県〜新潟県ライン以西、九州鹿児島県のトカラ列島辺りまでの日本、台湾、朝鮮南部、中国大陸中南部にまで分布するという常緑性のツル低木で、やや湿り気のある山野に普通。
  草に見えるような低木で、冬枯れの山野で目立つ赤いイチゴの花は実は暑い8月に咲いている。
  足元の葉に隠れて咲いている白い花は意識的に探さなければ目にすることはできない。
 
イチゴの仲間ではあるが、クサイチゴナガバモミジイチゴのように口一杯に頬張って食べたいイチゴでなく、一つ2つ口に入れるだけでやめるような、ナワシロイチゴ同様に食べにくいイチゴだ 。
画像1 薄暗い林縁の傾斜地、葉よりも高く伸びて咲いた白い花
画像2 小さな谷音が聞こえる道脇の小藪草地に蔓延った開花目前の株。
   真っ直ぐ立ち上がった株、斜めに1m以上も伸びた株など様々。
 撮影:(2014.8.8  小林市)
画像3 集合果。枯れ葉の目立つ冬の山野で良く目立つ緑の葉に映えて
   目に飛び込む真っ赤な小さな苺。5〜6個かたまることも多い。
撮影:(2008.1.5  小林市)
画像4 花は目立たないが普通5〜6個が総状について基部から白い花が順次咲く
撮影:(2014.8.6  宮崎市)
 
画像5 花が開くとガク片は軽く反り返る。多数のメシベを取り囲んでオシベも多数。メシベはオシベより相当長い。撮影:(2014.8.8  宮崎市) 画像6 花を正面から見た。反り返った5枚の花弁は差し渡し約1cmの大きさ、ガク片5個は差し渡し約2cmの大きさ。撮影:(2014.8.86  宮崎市)
画像7 完全に開花して花弁が反り返った時は、ガク片も反り返って正面から見るとほぼ同じ長さに見える。撮影:(2014.8.6  宮崎市) 画像8 ガクを横から見ると裏面には灰白色の長毛が密生している。托葉はラクダ色で長毛があって細く羽裂する。撮影:(2014.8.8  宮崎市)
画像9 細い茎は始め真っ直ぐ上に伸びるが、やがて基部から分枝して匍匐枝を
     伸ばし、地面に接した葉柄部から根が出てきて新苗を作り個体を増やす。
 撮影:(2014.8.6  宮崎市)
画像10 (葉の上面)。葉身部は切れ込み基部から長さ8cm、中間部の横幅約10cm、柄は8cmほど。撮影:(2014.8.6  宮崎市) 画像11 葉の上面、少し光沢があり全体に開出毛が多くて脈の窪みは浅い。小さなトゲ状の毛は無い。
撮影:(2014.8.6  宮崎市)
画像12 下面は短毛が密生してやや白っぽい。葉は中途半端に3〜5裂し裂片は丸っこい。
撮影:(2014.8.6  宮崎市)
画像13 葉縁の鋸歯。鋸歯の先端は短い複数の芒状になっている。側脈等は浅い溝状。
撮影:(2014.8.6  宮崎市)
画像14 (参考) オオフユイチゴの葉上面。画像10と比較して溝状の深い窪みが多い。光沢はない。撮影:(2014.8.6  宮崎市) 画像15 (参考) オオフユイチゴの葉上面の拡大画像。画像11に比較して皺状溝が目立つ。脈上に小刺が見える。撮影:(2014.8.6  宮崎市)
 
画像16 葉柄部と花序の基部。ともに灰白色の長毛が密生している。葉柄には小トゲがある。
撮影:(2014.8.6  宮崎市)
  画像17 茎はやや赤っぽく細くて堅い。長毛が密生して所どころに刺が見える。
撮影:(2014.8.6  宮崎市)
 
画像18 集合果は冬に赤く熟して良く目立つ。果期はかなり長くて長期間楽しめる。
撮影:(2008.1.5  小林市)
  画像19 個々の果実は大きさ約1cmで、水気も甘みもあるが、花柱残がいが荒い毛状に残っていて食べると舌に触る。撮影:(2004.11.13  宮崎市)
 画像19 分枝した株の全形。最長の分枝は長さ2mになる。枝3本の内の真ん中の
       茎が元来の株の茎で、中央上に伸びた葉裏の見える枝が新しい匍匐枝。
撮影:(2014.8.8  小林市)
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