FILE NO 420 宮崎と周辺の植物
イヌザンショウ Zanthoxylum schinfolium Sieb. et Zucc.
犬山椒 ミカン科
撮影日 2011.10.20
撮影場所 西米良村

 秋田・岩手県以西、四国・九州、朝鮮〜中国大陸に分布する落葉生の低木で、大きなものは3〜4mほどの高さになり、形状はサンショウに似るが香りがしないのでイヌがつけられている。
 宮崎でも低地から高地まで広範に見ることが出来る。
 似ているが本物のような特色がないものにヌがつくことが多いが、このイヌザンショウの場合はサンショウのような健胃成分こそないが、果実は咳止め、乾燥した葉は打撲や捻挫に効果があるという。
画像1 高さ2mほどの樹の枝の果序、果実の裂開で露出した種子 雌雄異株
画像2 花序は枝先について差し渡し10cm近くにもなる大きさで、
    やや黄みがかった白い小さな花が密集してアリや虫が寄る。
撮影:(2011.8.28  宮崎市) 
画像3 山は紅葉の季節、傾斜した岩場に根を下ろして3m以上にも伸びた
   樹だが、周囲の落樹にあわせるように鮮やかに黄葉している。
撮影:(2005.11.5  西米良村) 
画像4 (雄花) 花序は散房花序で大きさ2ミリほどの小さな花が密集して、大きな塊りとなって遠くからでも目立つ。
撮影:(2011.8.20 西米良村) 
画像5 (雄花)花はガク片5、花弁5、オシベ5からなるが、黄色みを帯びた箇々の花は小さくて見えにくい。
撮影:(2011.8.28  小林市) 
画像6 葉は互生して奇数羽状複葉となり、長いものは15〜16cmになる。
   小葉は基部の方が小さくて丸っこく、先端に向かって長くなる。
撮影:(2010.10.12  西米良村) 
画像7 小葉は長さ2〜5cmほどで、鋸歯の基部に黄色い腺点があり先端は小さく凹む。サンショウの葉は画像15を参照(鋸歯数が少ない)
撮影:(2010.10.12 西米良村) 
画像8 葉上面の基部。葉縁は葉柄に流れて、中央脈が葉柄をも貫いて浅い翼状となる。葉軸上部には丸のみで掘ったような窪みが出来る。
撮影:(2011.11.23 宮崎市) 
画像9 葉の下面はやや白っぽい。この画像では小葉の大きさの変化がよく見える。
撮影:(2010.10.12 西米良村) 
画像10 (両面とも無毛)小葉の下面。油点があり、側脈等は独特の網目模様を作る。
撮影:(2011.11.23  宮崎市) 
画像11 枝は縦長の皮目があり、長さ5ミリほどの刺が互生する。サンショウの刺は対生する(画像16を参照)。
撮影:(2011.8.28 小林市)
画像12 幹の基部の刺。刺は基部から楕円状に盛り上がって扁平、先は鋭く尖る。この画像の刺は高さ約1cm。
撮影:(2011.11.16 西米良村) 
画像13 果実は3個の分果から出来て、緑色〜赤褐色〜褐色に熟し表面は油点で荒れた感じになる。分果の大きさは直径5ミリほど。
撮影:(2010.10.12  西米良村) 
画像14 分果は熟すと裂開し、中から黒色の変形した球形の種子1個を出す。この果序の種子を数えると138個あった。 
撮影:(2011.10.20 小林市)
画像15 (参考)サンショウの葉。鋸歯の数は10個に満たないほど少ない。
撮影:(2011.8.28 小林市) 
画像16 (参考)サンショウの枝の刺。対生するので見分けは簡単に出来る。
撮影:(2011.8.28 小林市) 
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