FILE NO 78 宮崎と周辺の植物
オニルリソウ Cynoglossum asperrimum Nakai.
鬼瑠璃草 ムラサキ科
撮影日 2004.8.12
撮影場所 高千穂町

  学名の(Cynoglossum)は、「犬の舌」を意味して、ザラつく葉の形を、「asperrimum」は、「非常に粗面の」を意味することで、植物体に毛の多いことを表現しているそうだ。
  良く似たオオルリソウも横に寝た毛が多くてザラザラするが、このオニルリソウは立ち上がった開出毛の多いのが特徴となっている。
  図鑑等でも、茎の毛が圧毛か、開出毛かの違いが両者の識別点とされているが、それ以外の点は良く似ているので悩ましい。
  この画像では、確かに葉の形は犬の舌に似ているようにも思えるし、果実の果柄が長いこと、枝の出方がまばらで全体にすっきりしていることなど、オオルリソウとは感じが違うが、生育環境の違いとも考えられるので、自信はない。
  図鑑ではオニルリソウは北海道〜朝鮮まで、オオルリソウは本州〜東南アジアまで分布しているとあるが、生育密度の詳細は不明。
  オオルリソウの画像は、
ファイルN0305を参照。
画像1 谷川を渡った登山道の脇、せせらぎの音が聞こえる開けた場所に、群生とはほど遠い数個の株が見られた。高さは約70cm。
画像2 花柄、ガクには開出毛が目立ち、多少花柄が長い程度でオオルリソウに良く似る。 画像3 ガクの毛は、確かに少し立ち上がっているが著しいほどではない。
画像4 枝、葉は粗い開出毛が多くざらざらしており、葉の縁も平たく単純。 画像5 葉下面、オオルリソウに比べてやや薄い感じで、葉縁に大きなよじれもない。
画像6 果実。果序軸の毛も開出している。 画像7 ガク。下面の毛が目立つ。
画像7 枝、葉の上面の毛の様子。 画像9 茎の毛は完全に開出している。
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