FILE NO 305 宮崎と周辺の植物
オオルリソウ Cynoglossum zeylanicum (Vahl) Thunb.
大瑠璃草 ムラサキ科
撮影日 2001.7.19
撮影場所 西都市

 オオルリソウは、この時期の未舗装の林道脇などでよく見かけるが、大きく枝分かれした総状の花序に果実がびっしりとついた独特の草形で、目に付きやすい。
 薄い青紫色をした直径4ミリほどの小さな花は、近づいて初めて判るぐらいで、全体の大きさに比べるといかにも小さく、どちらかといえば、果実の面白さを鑑賞するほうが正しいのかも知れない。
 果実の付着力は相当なもので、手で摘まむとまるで吸い付くように感じられる。
画像1 草丈は、70〜80cmになる2年草で、花期を過ぎて長く伸びた果序の先端に青紫色の花が見える。葉は互生する。良く似ていて見分けの困難なオニルリソウとは少し葉の様子が違うようにも見える。 画像2〜17まで :2005.7.2 綾町で撮影
参照:オニルリソウ
画像2 茎は上部で多く分枝し、二股状になって伸展する花序を広げる。 画像3 花序は最後には30cmほどにも伸びて多くの果実をつける。
画像4 花序軸、花柄、がくには斜上する圧毛が密生する。花柄はごく短い。 画像5 淡青紫色の花冠は先が5裂し直径4ミリほど、中心に見える花冠筒部の上端には小さな副花冠状の突起があり(画像6参照)、筒部の中のオシベは見えない。
画像6 花冠中心部で、5裂した花冠裂片の内側に位置している突起は副花冠といえる。
(リンクのHP:石川の植物で、エチゴルリソウを参考にした。)
画像7 花冠筒部を縦半分に割いてみた画像。
  花冠裂片の下部にある筒部の中にオシベ、メシベが見える。筒部は高さ2ミリほど。 
画像8 茎には短い斜上する圧毛が密生し、葉は無柄で柔らかく、上面の脈はへこむ。 画像9 茎の圧毛と、柄がなく枝を抱くように出る葉の様子。
画像10 茎上部から出る葉、広披針形で先が尖り、長さは18cm近くなる。 画像11 茎下部の葉の下面、茎を抱くようにして付く柄のない葉は下面に脈が隆起する。
画像12 枝と葉下面、短い圧毛が密生する。 画像13 茎の下部茎葉下面にも短毛が密生。
画像14 若い果実。扁平な楕円形の4つの分果からなって全面に鉤状の刺がある。 画像15  熟した果実。果柄は長さ1.5ミリほどで、ほとんど果序軸に接しているように見える。
画像16 若い果実(右)とバラバラにした4つの分果(左)。ガク片は最後まで残る。 画像17 熟した分果。長さ3ミリほどだが、刺の付着力は強く、指で触ると、吸盤のような感じで手に吸い付く。
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