FILE NO 312 宮崎と周辺の植物
タカネハンショウヅル Clematis lasiandra Maxim.
高嶺半鐘蔓 キンポウゲ科
撮影日 2012.10.12
撮影場所 三股町

 近畿地方以西九州までと、台湾、中国に分布するという蔓性の低木で、高嶺とついているが、低山地に多く、逆にハンショウヅルの方は山地でしか見ることができない。
 宮崎でもこの時期、各地の低山地林縁や道脇藪で特徴のある形でぶら下がった花が目に飛び込んで来るが、花期は比較的長く果実と隣あって風に揺れる風景も珍しくない。
 和名は半鐘に似た花の蔓からで、種小名「lasiandra」は不明だが「lasianthus]は、長軟毛をつけた花の、の意味ようだ。
画像1 山道の藪の上を這った小さな蔓から下がった半鐘形の花
 画像2 谷沿いの落葉イヌビワの大きな枝を這って、枝葉に遮られることなく
      陽光を受けた蔓。左方にはガク片の落ちた花や若い果実が見える。
撮影:(2001.10.27 宮崎市) 
 
 画像3 蔓が絡んだ周囲の小枝が枯れて見えやすくなった葉や果実。
撮影:(2007.12.9 川南町)  
画像4 花は高さ1.6cmほどの半鐘形。花弁のように見えるガク片4個が5cmを超える長い花柄からぶら下がる。撮影:(2006.10.22 宮崎市)  画像5 花はガク片4個が徐々に反り返り、中から白毛に覆われたオシベが見えてくるが、葯は同色で見えにくい。 撮影:(2012.10.12 三股町) 
画像6 ガク片はやがて取れて半鐘形になったオシベだけがぶら下がる。絹糸色の毛はオシベ花糸に密生している。撮影:(2006.10.22 宮崎市) 画像7 左の画像からオシベを半分取り除いたら中からメシベが見えてくる。花柱基部には白く粗い毛がある。撮影:(2012.10.17 三股町) 
 画像8 対生する葉は2回3出複葉だが若い葉では中途半端な1回3出複葉など、
     様々な変化形になり、混み合うことはないが長い葉柄が曲がって複雑。
撮影:(2001.10.27 宮崎市) 
     
画像9 小葉は長さ2~6cmほどの卵形だが変化が大きい。鋸歯は粗くて先は尖り上面無毛。
撮影:(2012.10.17 三股町)
  画像10 小葉の下面は特に脈上に短毛がある。葉縁や小葉柄にも同様の短毛がある。
撮影:(2012.10.17 三股町)
     
画像11 6cm程にもなる葉柄や小葉柄は他物に巻き付く機能も備えて蔓を保持する。
撮影:(2012.10.17 三股町) 
画像12 下部の蔓は赤褐色で細く、稜があってすじ張り、千切ると縦すじ状に割れる。
撮影:(2012.10.12 三股町) 
  
画像13 果実はそう果で3cm程にも伸びる多くの花柱に白毛が密生する。
撮影:(2007.12.9 川南町) 
     
画像14 花が終わってすぐの果実は長さ4~5ミリ、花柱も長さ1cm強と小さいが徐々に変化する。
撮影:(2012.10.12 三股町)
  画像15 花柱の白毛が開く頃には花柱は3cmほどに伸び、果実は黒熟すると6ミリ近くになる。
撮影:(2007.12.9 川南町)
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