FILE NO 323 宮崎と周辺の植物
ハナウド Heracleum nipponicum Kitagawa
花独活 セリ科
撮影日 2010.5.31
撮影場所 県央

 
関東以西、四国・九州に自生するセリ科の多年草で、宮崎では高さ2mになる茎も珍しくない。
 全体の感じがよく似たシシウドは秋に開花するので、宮崎県内でこの時期間違えそうな花はない。
 日当たりの良い山野や田や畑のある水気の多い草地で、周囲の緑から高く抜き出て立ち上がった茎の先に広がった、大きく白い花はかなり遠くからでもよく目立つ。
 学名の「Heracleum」はギリシャ神話のヘラクレスのことで、最も薬効が高いとして捧げられた名前「ヘラクレスの万能薬」から来ているそうだが、他のセリ科植物に比べてそれほど薬効が高いのかどうかも含めて良く判らない。
 別名「増上寺白芷」というが、白芷はヨロイグサのことらしい。
画像1 傍に立って見上げるとまさに唐傘花と言いたくなるような花序。
画像2 花茎から散形花序に出た花柄は20~30本ほどが傘の骨状に広がり、さらに個々の
     花柄の先に小散形花序に小花柄が25本ほど広がって小さな白い花を1個づつつける。
 撮影:(2010.5.31 県央)
画像3 宮崎の内陸部でこの花が咲くのは水田の田植えが終わった頃が普通だが、
      沿海地の河川脇等では1か月近く早く咲く場所もあり、開花は地域変化が大きい
撮影:(2009.5.24 県央)
画像4 下から見上げた花序で、この場合20個ほどの花柄が広がっている。 撮影:(2010.5.31 県央) 画像5 小花序は周囲を取り巻く大きな花、中央部の小さな花で合計25個にも。撮影:(2010.5.31 県央)
画像6 小花序の周囲の花は差し渡し2cmほどだが、その中で外側の花弁が最大。 撮影:(2010.5.31 県央) 画像7 花弁5は2中~深裂し差し渡し大きさ約5ミリ、オシベ5は花弁の2倍以上。 撮影:(2010.6.1 県央)
画像8 長さ75cmほどにもなる葉は3~5小葉からなって深浅様々に切れ込んで柔らかい。
     葉柄基部は鞘となって茎を抱き大きな葉を支えている。  撮影:(2010.5.31 県央)
画像9 頂小葉は3つに浅裂し先は三角状に細まって尖る。 撮影:(2010.5.31 県央) 画像10 葉の上面はごく短い短毛があるが、触っても殆ど手に感じないほど。 撮影:(2010.5.31 県央)
画像11 葉の下面は白緑色で脈が隆起している。小葉柄は基部ほど長い。 撮影:(2010.5.31 県央) 画像12 下面の脈には荒い白短毛があって手で触るとザラザラする。 撮影:(2009.5.24 県央)
画像13 葉の鋸歯は先が突出して尖り、縁には微細な短毛がある。 撮影:(2010.5.31 県央) 画像14 葉柄の基部は膨れて長さ10~14cmほどの広い鞘状になって茎を抱く。 撮影:(2010.5.31 県央)
画像15 鞘状になった葉柄基部が茎につながる下端の接続部分。 撮影:(2010.5.31 県央) 画像16 葉柄基部の鞘状部分が葉身につながる上端の変化部分。 撮影:(2010.5.31 県央)
画像17 花が終わったばかりの時期の果実は蓋をした湯呑形で柱下体という。  撮影:(2010.5.31 県央) 画像18 未熟な果実。長さ7ミリほどの扁平な倒卵形で先端に花柱が残る。 撮影:(2010.5.31 県央)
画像19 果実は熟すと上端部から3分の2ほどの長さまで淡褐色の油管が出る。果実は2個の分果が合わさって1つになっており、触ると簡単に外れて2枚になる。  撮影:(2010.5.31 県央) 画像20 3個の内右2個は、左端の1個の果実の両面が割れて2枚の分果に分離したもので、くっついていた面を表にして並べた2枚。上2個の小さな楕円形は長さ3ミリの種子。 撮影:(2010.6.1 県央)
画像21 草丈の全景。葉は下半部に多い。
撮影:(2010.5.31 県央)
画像22 茎には稜があり、全体に丈夫な短毛が密生する。花柄にも稜がある。 撮影:(2010.5.31 県央)
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