FILE NO 702 宮崎と周辺の植物
イノモトソウ Pteris multifida Poir.
井の許草 イノモトソウ科
撮影日 2015.3.14
撮影場所 綾町

 
秋田~宮城県以西琉球までの日本、台湾、朝鮮~中国、東南アジアに広く分布するという常緑性のシダで、人里近くの石垣等に普通に見られる。宮崎でも多少湿り気さえあれば草地等でごく普通に目にするシダで、よく似たオオバノイノモトソウとは葉を見れば区別できる。
  自然雑種ができやすいそうで、翼の形状にも変化が多い。
  種小名「multifida」は多数に分裂したの意味で、見た目の葉の形状から頷けるが、中国名「鳳尾蕨」の方が正鵠を得ている気がする。
画像1 殆ど直角近い山道脇の崖、垂れ下がるように伸びた栄養葉
画像2 枯れ葉の上に広がった栄養葉とその上に高く伸びた胞子葉。
     胞子葉は葉柄部の長さ約30cm、葉身部の長さが50cmほど。
 撮影:(2015.314  綾町)
 画像3 胞子葉を真上から見た画像。中軸に広くついた翼が良く見える。
撮影:(2015.3.14  綾町)
 
画像4 栄養葉の上面。羽片にも中軸の翼にも不規則な鋭い鋸歯がある。上面は裏面に比べて緑が濃い。 撮影:(2015.3.14  綾町) 画像5 栄養葉羽片上面の拡大画像。葉脈は葉縁まで達しない。殆どの場合、縁は波状によれている。 撮影:(2015.3.14  綾町)
 
画像6 栄養葉の下面。上面に比べてやや緑白気味。葉は葉柄を含め長さ35cm。頂子葉の長さ約20cm。 撮影:(2015.3.14  綾町)   画像7 羽片下面の拡大画像。羽片軸の脇にごく小さな毛状の小突起が散在。
撮影:(2015.3.14  綾町)
 
画像8 葉身。頂羽片がはっきりした単羽状で、最下1~2対の側羽片に同形の
 小羽片が1~2個つく。最下羽片が最長でこの羽片では約12cm。
撮影:(2015.3.17  綾町)
 
画像9 胞子葉は羽片の幅が細く鋸歯がない。頂子葉は長さ35cmになる。
撮影:(2015.3.14  綾町)
 
画像10 ソーラスは細い羽片の縁が下側に折れ曲がって胞子嚢を包み込んだ(偽苞膜)の内側につく。撮影:(2015.3.14  綾町) 画像11 葉縁の拡大画像。偽苞膜に沿って葉縁に連続してついているソーラス。
撮影:(2015.3.14  綾町)
 
 画像12 右が葉柄の基部、左が伸び始めたばかりの若い葉柄。若い葉柄には僅か鱗片状が出る。撮影:(2015.3.17  綾町)   画像13 根茎は短く横に伸びる。葉柄は、新葉の出初めは淡緑色だが成長すると紫褐色になる。撮影:(2015.3.17  綾町) 
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