FILE NO 442 宮崎と周辺の植物
オオバノイノモトソウ Pteris cretica L.
大葉の井の許草 イノモトソウ科
撮影日 2010.3.13
撮影場所 県中部

 
秋田県から西の本州、四国、九州〜台湾、中国、インド〜ヨーロッパから南アフリカまで広く分布するという常緑性のシダで、学名の「cretica」はクレタ島に由来するらしい。
 県内では
林内の日陰地から日当たりの良い道脇の林縁まで幅広く自生して、形状の変化も含めて様々な場所でいろいろに変化した葉を見ることができる。
 イノモトソウは井の許草だそうで、がけ地等にある個体の場合でも見てみると確かに付近に谷があるなど、土壌は十分な水分を含んでいることが多い。
 葉の形も判り易くすっきりして観賞用に良いと思うが、葉に柔らかみがなくてカサカサしているのが難点かも知れない。
画像1 照葉樹の疎林、栄養葉の上に伸びた胞子葉は長さ95cm。  
画像2 林道わきのがけ地から垂れた栄養葉で、側羽片はこの種の代表的な浅緑色。
         黒褐色の細い針金状になった中軸に翼がない ことが似たイノモトソウと違うところ。
 撮影:(2008.1.27 県中部)
画像3 10cm近く伸び出したが未だ小さく、先端が下向きになった新葉には葉柄に小さな黒い
   鱗片が疎らについているが、成長すると消える。若い葉柄は葉と同じ色をしている。
撮影:(2010.3.13 県中部)
画像4 栄養葉の羽片は普通3〜5対、線状の披針形で先は鋭く尖って縁には
        不規則な鋸歯が基部から先端まである。長い最下羽片は長さ16cmになる。
は撮影:(2010.3.13 県中部)
画像5 栄養葉の中軸や羽片の軸には溝がある。羽片は最大箇所で幅約2cm。 撮影:(2010.3.13 県中部) 画像6 羽片下面。小脈は不規則に分岐するものが混じるが全て縁に達する。 撮影:(2010.3.13 県中部)
画像7 中央に見えるのが胞子葉で、画面下のやや羽片の広い葉が栄養葉。
      陽光や風の当たる開けた場所では千切れや傷みひどい葉が多く目立つ。
撮影:(2010.3.13 県中部)
画像8 胞子葉の上面。葉の幅は栄養葉の半分1cmほどで最長の最下羽片は長さ
       20cmになる。同形の頂羽片は長さ20cmほどで、30cmもある栄養葉より短い。
撮影:(2010.2.23 県北部)
画像9 胞子葉の下面。鋸歯が出る先端部を除いてほぼ全周に胞子嚢群がつく。撮影:(2010.2.23 県北部) 画像10 葉のへりは丸く反転して胞子嚢群を保護するように覆う偽苞膜状となる。撮影:(2010.2.23 県北部)
画像11 全く無毛の中軸は葉の裏側(下面側)では丸く膨らんで葉柄に続く。撮影:(2010.3.13 県中部) 画像12 葉柄表側は葉の上面側の中軸から続いた浅い溝が基部まで続く。撮影:(2010.3.13 県中部)
画像13  葉柄基部。地上部に鱗片は無いが地中の根茎付近に僅かにある。撮影:(2010.3.13 県中部) 画像14 葉が開かない若い葉柄の基部。小さな黒い鱗片が成長度に比例して残る。撮影:(2010.3.13 県中部)
画像15 右は展開し始めた葉、左は未だ先端が下向いたままの若い葉。 撮影:(2010.3.13 県中部) 画像16 若い葉柄にある長さ2〜3ミリの黒褐色の鱗片は、若い葉柄ほど多い。撮影:(2010.3.13 県中部)
画像17 直射日光が当たる道脇にまとまって茂った葉の風景はごく普通で見逃すことが多い。
    この場所に開いてほぼ一年近く経ったと思われる常緑性の葉は傷みや千切れが顕著。
撮影:(2010.3.13 県中部) 
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