FILE NO 453 宮崎と周辺の植物
キツリフネ Impatiens noli-tangere L.
黄釣舟 ツリフネソウ科
撮影日 2002.9.15
撮影場所 五ヶ瀬町

 国内にあるツリフネソウ科ツリフネソウ属の3種が揃っているのは、紀伊半島以西九州までだが、このキツリフネは県内では主として県北部山地を中心に自生している。
 他の2種のツリフネソウとは花の色、葉の形が大きく違っているが特に興味深いのは種小名の(noli-tangere)が、属名の(Impatiens)と同じような意味の「我に触るな」、」というラテン語から来ているそうで、とにかく触ると弾けやすい短気な果実には違いない。
画像1 湿り気のある木陰の山道沿いに群生した状態で見られる。  全体無毛の1年草。
画像2 花序は葉腋からでた細い花柄が葉の下に長く伸びて、いかにも釣船という感じがする。 画像3 花は淡黄色で、喉の部分に赤褐色の斑点がある。花の構造はハガクレツリフネを参照。
画像4 萼片3個のうちの下の萼片は黄色い筒状で段々細くなって距になるが、他のツリフネソウがくるりと輪になるのと違って緩く下に曲がる程度。 画像5 花を吊した花柄が左側の萼片と右側の花弁を繋いで保持している様子がよく分る。

画像7 果実は2〜3cmほどの細長い角状で僅かに括れ、縦に4つの稜がある。
  果実はまだ乾燥していない緑色の状態のままで熟しており、少しでも触ると果皮が5片に裂け、勢いで種子を弾き飛ばす。
(撮影:2004.10.17 同じ場所)
画像6 互生した葉は卵形、長楕円形で長さ5〜8cm、幅4〜5cm、縁は先が丸い鋸歯になる。
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