FILE NO 188 宮崎と周辺の植物
クサタチバナ Cynanchum ascyrifolium (Franch. et Savat.) Mathum.
草橘 ガガイモ科
撮影日 2004.6.29
撮影場所 県北部

  クサタチバナは花がミカンの仲間のタチバナに似ていることから付けられたそうだが、確かに似た感じはある。(当ホームページのファイルN038参照)
  自生地は関東(福島県)以西近畿、中国、四国とされていたが、最近宮崎でも1ヶ所その存在が地元専門家によって確認されている。
  主にブナ帯の石灰岩地などの特殊な環境下で生育している関係からか、全国版のレッドデータブックに載るほどではないが、県の中には絶滅、あるいは生育数減少と報告されている所もある中で、宮崎で自生が確認された意味は大きい。
  生育地のこともあって、元来があまりポピュラーな花ではないと思われるが、タチバナに似ているという理由だけで存在価値があるようにも見える、上品な花ではある。 
画像1 高さは周囲と競り合って精一杯上に伸びているが1mに満たないほどで、茎は分枝しない。
環境は県北部の石灰岩山地尾根筋で生育には厳しい。
画像2 花序は茎の先に長い柄を出し、そこから小花柄を伸ばしていくつかの花をつける。  画像3 5裂した花冠。真ん中のメシベ、オシベが集まってできたずい柱を囲んで、ずい柱よりは少し低い5つの白い副花冠がある。
画像4 角状になった無毛の袋果は
長さ5cmほど。
画像5 角状にならない袋果のアップ写真。
果柄から2本伸びた小果柄は果実と同じ
程度の長さ。
画像6 葉は対生し柄は1cm前後(画像1参照)、長さは10cmほどになって先は細く尖る。 画像7 花序は茎の先端に出て伸びた柄の先に総状につく。
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