FILE NO 327 宮崎と周辺の植物
マテバシイ Lithocarpus edulis (Makino) Nakai
まてばしい ブナ科
撮影日 2013.5.23
撮影場所 宮崎市

  元々九州~琉球の自生種らしいが古くから各地で植えられ、現在では、関東以西に広く分布しているという。宮崎では県内に広く自生し公園等にも植栽されている。語源の一つ、待てばシイになるからについてはアスナロを連想して面白いが、あまりにもこじ付け過ぎる気がするし、他に諸説ある語源は、縄文以前から食べられ植栽されてきたことを考えると、どれも説得力に欠ける。
 大きくてあくがなく生食できるので、採集生活では貴重な木の実みだったことは間違いない。
画像1 枝全体を黄色っぽい花で覆った若い樹で高さは4mほど。 雌雄同株
画像2 大ぶりな枝先の葉腋からまっ直ぐに斜上した花序に密生した花。
撮影:(2012.5.30  宮崎市) 
画像3 未熟な淡緑色の果実は昨年にできたもので2年かかって熟す。
    果実周囲の小さな粒状は成長しないまま落ちずに残ったもの。
撮影:(2006.9.3 宮崎市) 
画像4 基部近くから枝が出て全体が丸い樹形になるように分枝するが、
      植栽木では基部から複数分枝して株立ち状にみえることが多い。
撮影:(2013.5.23  宮崎市 ) 
画像5 雄花序は葉腋から伸びて長さ10cmほどにもなる。シイやクリのように垂れることはない。
撮影:(2013.5.20  宮崎市 )
画像6 オバナは1~3個が集まってつき、6裂した花弁は直径約2cm、長さ約4ミリのオシベは12個ほど。撮影:(2013.5.20  宮崎市)
 
画像7 長さ10cm近くになる雌花序は枝先の葉腋から出る。メバナは疎らにつき雌花序の上部にはオバナがつくことも多い。雄花序が派手なので見えにくい。 撮影:(2013.5.24  宮崎市)    画像8 メバナは小さくて直径1ミリほど、3個がまとまって黒緑色の苞葉に保持されている。花柱3個は円柱状で長さ0.3ミリほど。
撮影:(2013.5.30  宮崎市) 
 画像9 葉は長さ10cm~20cm前後で大きさに変化が多いが葉柄は
    ほぼ2cm前後で枝先に互生する。成葉は無毛で革質全円。
    枝下方に見える果序の小果実は昨年のもので、今秋熟す。
撮影:(2013.5.12 宮崎市) 
画像10 葉の先は急に細くなって尖り基部の変化とは対照的。撮影:(2013.5.25  宮崎市) 画像11 葉の基部は徐々に細まって葉柄に流れるが左右は非対称。撮影:(2013.5.25 宮崎市) 
 
画像12 葉の下面は淡緑褐色で初め微細毛があるがやがて無毛になる。側脈は10対前後。 
撮影:(2013.5.25  宮崎市)
画像13 成葉下面の近接画像。脈が隆起して葉縁は少し下側に反る。透視性は良好。
撮影:(2013.5.25 宮崎市)
 
画像14 樹皮は灰褐色で縦に白いすじが入って一見柔らかそうに見えるが萌芽力が強く有益樹。 撮影:(2013.5.25 宮崎市)     画像15 枝は初めは緑色で浅い縦溝ができるが、やがて淡褐色になり疎らな皮目ができる。
撮影:(2013.5.25 宮崎市)  
 
画像16 果実は堅果(どんぐり)で長さ2.5cmにもなる。小さな果実は未熟のままの成長を停めた果実。 撮影:(2006.9.3 三股町)   画像17 翌年に熟して落下した堅果で、殻斗が取れて見える基部の着点は浅く窪んでいる。 
撮影:(2011.1.9 綾町)  
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