FILE NO 336 宮崎と周辺の植物
オオバヤシャブシ Alnus sieboldiana Matsumura
大葉夜叉五倍子 カバノキ科
撮影日 2015.3.25
撮影場所 三股町

 
福島県~和歌山の太平洋岸、八丈島を中心に分布といわれるが、ハンノキの仲間と一緒にかなり古くから砂防工事の緑化木として植栽されてきたことから、広い範囲で逸出しており、近年は宮崎県のこの辺りでも目にするようになった。
  和名は牧野富太郎説の大葉夜叉五倍子が充てられているが、大葉八塩五倍子と言う説もある。
 八塩はヤシオで八回も(何回も)染めたような鮮やかな色になることで、染料の虫エイ(五倍子)に続く。
  果穂に含まれるタンニンは昔から染料に使われていたという。
画像1 雌雄同株。垂れた雄花序と先端の立ち上がった雌花序。 5倍子は、キブシヌルデを参照。
画像2 他種との見分けの大きな区別点となる花の付き方。枝の先端に新葉、
     新葉の下方に雌花序がつき、さらにその下方に雄花序が垂れ下がる。
 撮影:(2015.3.25 三股町)
 画像3 林道わきの荒れた傾斜地、傾いて枝を拡げた高さ7mほどの株。
撮影:(2015.3.25  三股町)
 
画像4 ようやく開き始めた雄花序で堅くて未だ垂れていない。しばらくすると枝先の葉芽や雌花序が開いてくる。 成長した雄花序は無柄で長さ5~6cm。 撮影:(2006.2.25  小林市野尻町) 画像5 雄花序の雄花。カマキリの頭のような形の屋根状の苞に覆われるように3花があり、それぞれのオシベ4個の花粉は未だ多く残っている。 撮影:(2015.3.20  三股町)
 
画像6 雌花序は立ち上がって高さ2~2.5cm、長さ1~2cmほどの柄には始め軟毛が密生する。 撮影:(2015.3.25  三股町)   画像7 雌花序の拡大画像。雌花は苞の基部に2個ついて花被は無く小苞2個と円柱状の柱頭2個が見える。 撮影:(2015.3.25  三股町) 
画像8 右方向に伸びた横枝の花序。上側の枝を見ると、右端に展開した葉が
      一枚、その左に斜上した雌花序が3箇、その左に垂れた雄花序が一個。
撮影:(2015.3.25  三股町)
 
画像9 互生する葉は長卵形で、最長2cmほどの葉柄を含めて6~13cm。.
撮影:(2015.3.31  三股町)
 
画像10 葉上面。側脈は12~16対。縁に鋭い重鋸歯があり、ほぼ円形の基部は左右不揃い。脈は凹む。 撮影:(2015.3.31  三股町) 画像11 葉縁の拡大画像。重鋸歯の先端は鋭く短い小突起となってつき出す。
撮影:(2015.3.31  三股町)
 
 画像12 葉下面。明るい淡緑色で側脈は明確に隆起して、直線状か僅かに曲がって葉縁に届く。撮影:(2015.3.31  三股町)   画像13 葉下面の拡大画像。腺点が散らばって手で触ると粘る。傾向は若い葉ほど顕著。
撮影:(2015.3.31  三股町)
 
  画像14 新葉が出始める2~3月、同時に開花も始るが前年の果穂は
         未だ枝に残って果実を放出している。果穂にはタンニンが多い。
撮影:(2015.3.17  三股町)
 
 画像15 果穂は長さ2.5cmほどの広楕円状で晩秋に熟す。果穂は立ち上がった柄の上に1個つく。撮影:(2015.3.31  三股町)   画像16 3月時期の果穂。まだ多くの果実が果鱗の中に残り、外へ放出される機を待っている。撮影:(2015、5.3.31  三股町)
 
画像16 画像の左端が果実で、両側に目立つ翼がある。右の2個は果実を保護している果鱗で松ぼっくりのかさに当たるもの。
撮影:(2015.3.30  三股町)
 
  画像16 樹皮は淡い灰褐色で縦筋が入って古くなってくるとやがて大きな片となって剝がれ落ちる、若い樹の幹や枝には皮目が多い。
撮影:(2015.3.31  三股町)
 
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