FILE NO 499 宮崎と周辺の植物
sen
オトコエシ Patrinia villosa ( Thunb.) Juss.
男郎花 オミナエシ
撮影日 2011.8.28
撮影場所 県西部

 
北海道~九州までの日本全土、朝鮮半島~中国に分布する多年草で、男郎花と書いて、女郎花と書くオミナエシと対比されるが、オミナエシほど有名ではない。
 両者の区別は古くから認識されていたようで、大和本草の巻之七記載の敗醤(オミナエシ)の項に、本邦に黄白2色あって古歌に読まれたオミナエシは黄花で、1513年頃に書かれた連歌の歌語辞書である藻塩草に白花を俗にオトコエシという・・とある。
画像1 林縁の草地、陽光に向かって斜上した高さ1mほどの株。 宮崎では山野の草地に普通に自生
画2 花は集散花序の先の一塊りの小花序に散房状について白く小さい。
撮影:(2011.8.29
 県西部)
画像3 伐採されて間もない杉山の跡地で枯れ木に花が咲いたように見える果実。
       枯れ残っている株は樹のように見え、高さ約1.5mで横枝が大きく広がる。
撮影:(2011.3.6
 県中部)
画像4 先端近くの花序を下から、花序の柄には柔らかい白毛が密生。
   花序は2~3個が分枝して広がり、最先端部で花はまとまる。
撮影:(2011.8.30
 県西部)
画像5 先端にまとまった一団の花集団は差し渡し3cmほどの大きさで、基部の小苞葉は比較的大きい。 撮影:(2011.8.30  県西部) 画像6 花は花冠が5裂して大きさは差し渡し約5ミリ、オシベ4とメシベの基部には白い毛が密生する。 撮影:(2011.8.30  県西部)
画像7 対生する葉は単葉~羽状複葉までと変化の幅が大きく、下部と上部でも違いが大きい。羽状複葉は頂小葉が最大。
撮影:(2011.8.29
 県西部)
画像8 厚みのある葉は茎の基部では長さ15cmにも、上部で3cmほどと変化し両面ともに毛が多い。葉の基部は葉柄に長く沿う。
撮影:(2011.8.29
 県西部) 
画像9 葉の上面の毛の様子。全面に粗い毛が生えて指で触るとザラザラする。
撮影:(2011.8.29
 県西部) 
画像10 葉の下面は脈上に毛があり、主脈が目立って隆起する。鋸歯縁にも毛がある。
撮影:(2011.8.29
 県西部) 
画像11 羽状複葉花柄の基部。柄にそって翼状に葉身から流れた緑色部分が顕著。
撮影:(2011.8.29
 県西部) 
画像12 茎は丸くて堅く粗い毛が密生する。葉の基部の膨らみは茎を丸く取り巻いている。
撮影:(2011.8.29
 県西部) 
画像13 この時期杉山の伐採地に枯れ残る果実は遠目にはウメが咲いたよう。
撮影:(2011.3.6
 県中部) 
画像14 未熟な果実。果実は長さ3ミリほどの細長い痩果で周囲は小苞葉が変化した翼となる。 撮影:(2004.11.6)  県南部)  画像15 熟した果実。周囲を取り囲む直径6~7ミリの円形の翼は網目状に脈がある。良く風に飛ぶ。 撮影:(2006.12.2  県中部) 
画像16 (参考)草原のオミナエシ(女郎花)。
生薬名を敗醤といい、乾燥した根は解毒、はれ物に効くとするが、オミナエシもオトコエシも同様の効用があるという。切って花瓶に挿すと数日で醤油が腐ったような匂いがしてくるので敗醤を実感するが、根の成分に関係するらしい。 生け花の花材として使用されるようだが、  この匂いならぬ臭いの対策に何か特別の工夫があるのだろうか。
撮影:(2006.9.24
 県北部) 
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