FILE NO 494 宮崎と周辺の植物
sen
シタキソウ Stephanotis lutchuensis Koidzvar. japonica(Makino) Hatus.
舌切草 ガガイモ
撮影日 2010.6.22
撮影場所 宮崎市

 
和名はシタキリソウ(舌切草)が変化してシタキソウになったと思うように牧野富太郎博士は述べているが、今ひとつピンと来ない。
 しかしニシキギ科のシタキツルウメモドキの方は、蔓の下部が木のようになるツルウメモドキだからと牧野博士はちゃんと説明しているので、同じ語源とは言うことは無さそうだ。
 千葉県以西~四国、九州の近海地の山林内に生える蔓性の常緑多年草で、宮崎の都井岬が南限らしい。
画像1 林道わきに生えた高さ2mほどの樹から垂れて花を咲かせた蔓は、分枝して広がっているが主蔓の長さはせいぜい4~5m。 最新分類ではガガイモ科はキョウチクトウ科に移行させられた。
画像2 垂れた蔓の葉腋から集散花序を出して3個前後の白色花をつける。
撮影:(2011.6.17
 川南町)
画像3 果実は左右水平に開く袋果で片側10cmほどの長さの長披針形。
   熟すと裂開して風に乗りやすい白毛のついた種子が出てくる。
    種子の感じはサカキカズラ
を参照。撮影:(2009.9.26  川南町)
画像4 純白の花冠は5裂して強く反りかえる。花冠は厚くて存在感がある。
     花冠の裂片は長さ約2cm差し渡し4cmと大きく、基部は少し重なる。
 撮影:(2010.6.22
 宮崎市)
画像5 花冠筒部内面には毛が多い。ずい柱の直立した葯先端には小膜質部がある。副花冠5個は葯の背面についている。
撮影:(2010.6.22
 宮崎市)
画像6 小花柄は長さ約2.5cm、5全裂したガクの長さ約1cm、花冠筒部は約1cm長で裂開部の高さは約1cm。
撮影:(2011.6.17
 川南町)
画像7 対生する葉は卵形で先は尖り、大きさ、形の変化の幅が広く、大きな葉はは長さ17cmにもなる。やや厚いが柔らかい。
撮影:(2010.6.22
 宮崎市)
画像8 蔓先端部の幼葉。蔓部には短い白軟毛が密生。葉の下面脈上には白軟毛が多く、また葉上面にも白軟毛が散生する。
撮影:(2011.6.17
 川南町)
画像9 葉の下面には脈が顕著。蔓につく位置によって形や大きさ、色や質感等の変化幅も大きい。撮影:(2010.6.22  宮崎市)  画像10 葉下面の脈上には後まで短い白軟毛が残る。葉柄が葉身部に移行する部分はやや角度がつく。撮影:(2010.6.22  宮崎市) 
画像11 葉は蔓に対生するが、葉柄は巻き付く形で曲がって伸びる。蔓部ともに短毛が多い。
撮影:(2010.6.22
 宮崎市) 
画像12 蔓全体の中ほどの位置にある蔓。気孔のブツブツが突出して目立つ。
撮影:(2010.6.22
 宮崎市) 
画像13 若い蔓を千切るとすぐに白い乳液が出てくる。舌切早はこの液を口から出る唾に例えたとも言うが。 撮影:(2010.6.22  宮崎市)  画像14 蔓の半ばあたりの位置で分枝部を引き千切って出てきた乳液。。蔓下部は木状とも言えるが。 撮影:(2011.6.17  川南町) 
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