FILE NO 641 宮崎と周辺の植物
タカクマムラサキ Callicarpa longissima (Hemsl.) Merr.
高隈紫 クマツヅラ科
撮影日 2009.10.11
撮影場所 県南部

 タカクマムラサキは、鹿児島県の桜島の東方高隈山にあるムラサキシキブの仲間で、鹿児島県内の数ヵ所に自生するとされていたが、最近宮崎県の南部でも自生していることが確認された。
  別名でナガバムラサキとういうように葉が長いのが特徴で、学名の「longissima」も非常に長いを意味しているという。
  葉や枝にカクテル等に使うジンに似た香りがして近づくとすぐに判るほどで、葉裏等に多くの腺点があって葉や細い茎を手で触ると強い粘り気がある。  
画像1 雑多な低木林の中で長く横に伸ばした枝の葉腋に両性花がつく高さ3〜4mほどになる落葉性低木で、細長い対生葉が枝全体につく。 ぎっしりとついた果実は、ちょっとオオムラサキシキブに似る。
画像2 枝は入り混じるように細く長く伸びて、葉腋から伸びた花序にぎっしりと
  花をつけたまま大きく傾いて、斜め下になった枝も珍しくないほど。 
撮影:(2009.10.11 県南部)
画像3 緑色の葉の間に濃紫色の果実をぎっしりとつけた樹は高さ4mほど。
   分枝した多くの枝が横や斜めに長く伸びて葉が樹の中上部を覆う。
撮影:(2008.12.28 県南部)
画像4 手前に傾いた枝の向こうに右斜め下方向に伸びた枝が見える。 撮影(2009.10.11 県南部) 画像5 横から見た花序。全体に粘る短毛があり手で触るとべたつく。 撮影:(2009.10.11 県南部)
画像6 淡紅色の花冠は4裂するが、大きく広がることなく差し渡し3ミリほどに開く。
     花冠から3ミリほど飛び出したオシベ4個よりやや長いメシベの柱頭は先が広い。
撮影(2009.10.11 県南部)
画像7 花は、ガク部分1ミリ、花冠部分2ミリほどの長さで、花冠は基部から簡単に外れる。
撮影:(2009.10.11 県南部)
画像8 小さな花が競りあって分かりにくいが、蕾時期の花序では花柄に密生した白い短毛が良く見える。  撮影:(2009.10.11 県南部)
画像9 葉は長さ20cmほどの長楕円状皮針形で、長く伸びる枝の基部近くからも出る。
 柄は約2cmと短くて両端とも鋭尖形、側脈は14〜15本が緩やかに縁に沿う。
撮影(2008.12.28 県南部)
画像10 葉の上面。脈状に細い毛があり、手で触ると粘る。 撮影:(2008.12.28 県南部) 画像11 葉の下面。光って白く見える小さな腺点が密生して強く粘る。 撮影:(2008.12.28 県南部)
画像12 成葉の葉柄は紫褐色で小さな腺点があって粘る。 撮影:(2008.12.28 県南部) 画像13 枝先端の若い葉では全体に密生した腺点が顕著。 撮影:(2008.12.28 県南部)
画像14 小枝の葉腋から伸びた花序、白い短毛が密生して粘る。 撮影:(2009.10.11 県南部) 画像15 不規則に交差した淡緑色の枝には不規則な縦の皮目がある。  撮影:(2009.10.11 県南部)
画像16 花は殆どが果実となって長い枝の全体にぎっしりと実るが、初めは紫色で
    直径約1.5ミリほどだった果実は、色も大きさも徐々に大きく変化する。
撮影:(2008.3.22 県南部)
画像17 初期の果実は濃い紫色をした小さな球形で葉腋周辺で大きさ6cmほどの果序となる。
撮影:(2008.12.28 県南部)
画像18 果実はだんだん大きくなるとともに白色になり、直径4ミリほどのいびつな球形になる。
撮影:(2008.3.22 県南部)
画像19 成長して大きく白くなった果実が白い花のように見える樹。 撮影:(2008.3.22 県南部) 画像20 幹は樹皮が小さくひび割れて、皮目は殆ど目立たない。 撮影:(2008.12.28 県南部)
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