FILE NO 66 宮崎と周辺の植物
タニジャコウソウ Chelonopsis longipes Makino
谷麝香草 シソ科
撮影日 2007.10.6
撮影場所 木城町

  タニジャコウソウは、谷間のジャコウソウの意味で、まさに頭上が葉で覆われた薄暗い谷間で見られる。
  ジャコウソウが殆んど日本全土に自生するのに対し、タニジャコウソウは南関東以西に限られ、県内では各地で見られるがそれほど多くない。
 種小名「longipes」は長い柄を意味してよく特徴を表しているが、本家 ジャコウソウの種小名が「moschata」で、麝香の香りムスクを意味して香るのとは無縁で、ただ花の形が似ているに過ぎない。   
画像1 舗装道路脇の小さな谷の、水嵩が増すと根が浸かりそうな谷の両側にポツポツと株があった。花は長い葉柄の先に普通は1個つく。 水気の多い谷などに生える多年草で、花冠は紅紫色。
画像2 上からコンクリートの擁壁に垂れ下がって背景がすっきりとした花茎。
  普通は葉の下で見えない葉柄が見え、茎に毛が多いことがよく分る。
撮影:(2007.10.6 木城町 )
画像3 花冠は筒状で上下2唇となり、3裂した下唇の中央部には長い線状の膨らみがある。
撮影:(2001.10.14 宮崎市)
画像4 長さ3.5cmほどの花冠基部は毛のある1cmほどの筒状のガクに包まれ、葉柄上部には細い苞が見える。撮影:(2007.10.6 木城町)
画像5 普通は葉の下に隠れている葉柄は、長さ4cmほどもある。 撮影:(2003.10.13 宮崎市) 画像6 花冠正面。上唇に沿って伸びたオシベ、メシベが見える。 撮影:(2003.10.13 宮崎市)
画像7 上唇を取り去った花冠。オシベの長さは、2個はメシベと同じだが、他の2個は少し短い。  撮影:(2007.9.30 木城町) 画像8 オシベ先端部の拡大f画像。長短あるオシベの葯は下向きに曲がってタワシ状、長いほうがメシベとほぼ同長。 撮影:(200.7.10.6 木城町)
画像9 (ほぼ全景の画像) 基部から株立ち状に立ち上がった茎は殆んどが斜方、または
     横に伸びて1.5mほどになるが、シダ等で藪状になった基部の茎はよく見えない。
撮影:(2007.10.6 木城町)
画像10 対生する葉は鋸歯のある広披針形で、先端は細長く伸びて長いもので17cmほどになる。  撮影:(2007.10.6 木城町) 画像11 葉の下面。白みを帯びて脈が浮き出る。基部は鋸歯が目立つ耳状の心形となる。
撮影:(2007.10.6 木城町)
画像12 茎は太い部分は紫色を帯びて粗い開出毛が密生する。 葉柄にも毛が密生している。
撮影:(2007.10.6 木城町)
画像13 長さ7ミリほどの葉柄は下向きにつくが葉を上に向けるための調整か、曲がっている。
撮影:(2007.10.6 木城町)
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画像14 筒状のガクは上下2唇で、先は上側が浅く3裂、下が2裂し、果実の時期まで残る。
撮影::(2007..10.6. 木城町)
画像15 果実は花時に比べて大きく肥大し、丸くて硬くなったガクに包まれる。
撮影::(2007.1.2.宮崎市)
画像16 長い柄の先に3個のガク(果実)がついたもの。 中の果実は分果となる。
撮影::(2007.1.2  宮崎市)
画像17 分果は普通通4個からなり、ガクに納まっている。(但しこの画像の分果は不稔のように見える)  撮影::(2007.1.2. 宮崎市)
画像18 長さ1cmほどの分果は楕円形だが、尖った長卵形もある。 撮影::(2007.1.2 宮崎市) 画像19 種子は長さ5ミリほどのラグビーボール状楕円形。  撮影::(2007.1.2 宮崎市)
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