FILE NO 480 宮崎と周辺の植物
タチシオデ Smilax nipponica Miq.
立牛尾菜 ユリ科
撮影日 2008.7.27
撮影場所 高千穂町

 北海道にもあるというシオデに良く似た多年草で、本州〜九州、朝鮮半島、中国に自生するつる性の蔓植物。
 九州では宮崎県が南限になっている。
 生育環境も同じなのでシオデと間違い易く、見るときには開花時期等シオデとの違いに注意する必要がある。
 ここのページでは全体的な特徴等は別紙シオデが参照されることを前提にして、シオデとの違いを中心に説明した。
 シオデ、タチシオデの区別なく山菜としての利用が盛んな東北あたりでは、ヒデコ、ショウデコ、シュデコ等と呼ばれるそうだが、牧野博士のアイヌ語「シュウオンデ」語源説につながっているのかも知れない。
画像1 斜上した蔓の下部葉腋の果実。5月に咲いた花がもう果実になっているが、シオデは今花が咲き始めた頃で、開花時期の違いが大きな相違点。 シオデを参照。
画像2 芽を出した茅等もまだ目立たない草原、周囲に巻き付くものもない中で
    斜上した1mほどの茎に、ぎっしりと花を咲かせた「立ち」タチシデ。
撮影:(2006.5.3 高千穂町)
画像3 高さはせいぜい50cmほどの巻きひげも目立たない若い蔓だが、
    下部に淡黄色の花をつけて立ち上がっており、蔓植物に見えない。
撮影:(2009.5.3 高千穂町)
画像4 オバナ。平開した花は差し渡し1cmほどで、花被片5、オシベ5が目立つ。葯は白い点状に見える。シオデとの違いは画像8を参照。
撮影:(2008.7.5  高千穂町)
画像5 オバナ。花被片は殆どの場合平開し終期になるとダラリと垂れるが、外側にクルリと巻くことはない。 シオデとの違いは画像8を参照。
撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像6 メバナ。葉腋から5〜6cmも伸びた花梗の先に散形花序について緑色の子房が目立つ。
撮影:(2008.7.5 高千穂町)
画像7 メバナ。花被片はやや広くてオバナと同様に殆どの場合平開している。花被片の長さは2ミリ強。 撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像8 (参考)シオデのオバナ。花被片は早くから外側に反って小花柄を囲む。花糸先の葯は長くて後にはクルリと巻いて見える。
撮影:(2008.7.5 高千穂町)
画像9 (参考)シオデのメバナ。花被片は初めから垂れて小花柄を包むようにクルリと巻いて見える。 撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像10 成葉の上面。葉は変化の幅が広くてシオデとの違いは分かりにくいが、葉柄はやや長め。
撮影:(2008.7.6 高千穂町)
画像1 タチシオデの成葉下面。一目で分かるほどに白いので、葉裏を見ればすぐに分かる。
撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像12 葉形も様々に変化するが斑が入ったものも珍しくない。 撮影:(2008.7.12 高千穂町) 画像13 ほぼ軍配状に広がった葉。葉の基部は殆ど切型。撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像14 殆ど円形になった葉。基部は切型で縁は小間隔に波打っている。
撮影:(2008.7.6 高千穂町)
画像15 被針状に長く伸びた葉。基部は鋭形に近い。斑の色は葉のへりにも見られる。
撮影:(2008.7.12  高千穂町)
画像16 若い葉の下面は明るい淡緑色でシオデに比べて特に白さは感じられないが、右画像を参照。
撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像17 画像16の拡大画像。下面の全面にごく小さな短毛が密生しているのが見える
撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像18 (葉の下面比較) 左がタチシオデの葉で、明確に白粉がついたように白い。
       右がシオデの葉で、白っぽい淡緑色とも言えるがタチシオデとは明確に違う。
 撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像19 成葉の下面拡大画像。細脈を中心に全体小さな短い白毛が密生している。
撮影:(2006.9.24 高千穂町)
画像20 (参考) シオデの成葉下面拡大画像。全体白っぽいが目立った毛は見られない。
撮影:(2007.11.11高千穂町)
画像21 葉柄には特にひだ状の突起物は見られないこともシオデとの違い(シオデ参照)。
撮影:(2007.11.11 高千穂町)
画像22 まだ黒熟しない未熟の果実だが表面はシオデにはない白粉で覆われている。
撮影:(2007.11.11 高千穂町)
画像23 タチシオデの草形。基部近くには果実が付いているが高さ約70cm。
撮影:(2007.11.11 高千穂町)
画像24 (参考) シオデの蔓。巻きひげを伸ばしながら背丈ほども立ち上がっている。
撮影:(2007.11.11 高千穂町)
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