FILE NO 640 宮崎と周辺の植物
ツクシハギ Lespedeza homoloba Nakai
筑紫萩 マメ科
撮影日 2009.10.1
撮影場所 延岡市

 普通に○○ハギとつく仲間は、万葉の昔から親しまれ様々な名で呼ばれて分類が難しいとされてきたが、国立科学博物館専門家の研究ではヤマハギ節は9種に整理されるという。
 ヤマハギキハギやマルバハギが日本〜中国大陸等に分布するのに対し、ツクシハギは日本の固有種で、本州〜九州にかけて分布し、万葉集で詠まれたハギの中にも当然含まれていると思われ、冠地名の和名には命名者の思いが窺える。
画像1  山地林道傾斜から垂れ下った枝、遠目に白い部分が目立つ 鈍頭のガク裂片の先が特徴
画像2 株の全景は撮影が難しいが、茎の中部から分枝して長い枝となって垂れ下がり、
     枝先や葉腋から総状花序を伸ばして遠目には紅紫色に白色が混じった花をつける。
   撮影:(2009.9.28. 延岡市)
画像3 花は葉腋から高く伸びて総状花序につき、開いた花では旗弁が大きく反り返る。
     他のハギよりも白っぽく見えるのは、旗弁裏面の白っぽさが強いからと思われる。
  撮影:(2009.9.21. 延岡市)
画像4 高さは2m近くにもなるが、殆どの枝が垂れ下り、長い花穂が風に揺れる。
撮影:(2009.10.1 宮崎市)
画像5 枝はしなやかに垂れ下がって葉腋から7〜8cmにもなる総状花序が花をつける。
撮影:(2009.10.1. 宮崎市)
画像6 花柄は短く花は混み合って見える。旗弁裏面や竜骨弁は白っぽい。花は長さ1cmほどで旗弁の先はへこむ。 撮影:(2002.9.22. 椎葉村) 画像7 下の白い竜骨弁が上部の白い旗弁と同長かより長いのがツクシハギの特徴。赤紫色の翼弁は一番短い。 撮影:(2006.10.10. 延岡市)
画像8 立ち上がった旗弁。先が鈍頭のガク裂片4個は長さが皆同じで種小名「homoloba]の意味となる。 撮影:(2009.9.27. 宮崎市) 画像9 長さ4ミリほどのガクの裂片には目立った脈は見えないのがヤマハギと違う。
撮影:(2009.10.1.延岡市)
画像10 葉の上面。無毛で先はやや凹んで下面側に反る。 大きな葉では葉柄約2cm、葉身の長さ約5cmになる。 撮影:(2009.9.27. 延岡市) 画像11 葉の下面。主脈以外は殆ど無毛で細脈までよく見える。 枝先の葉の大きさは普通2〜3cmほどの長さ。  撮影:(2009.10.1.延岡市)
画像12 下面拡大画像。主脈上に僅かに白毛が見える程度。 撮影:(2009.9.27. 延岡市) 画像13 下面基部の画像。葉柄には短い伏毛が見える。 撮影:(2009.10.1. 延岡市)
画像14 枝は硬くて茶褐色、細くて低い稜がある。  撮影:(2009.9.21. 延岡市) 画像15 細い枝は緑色で明瞭な稜と小突起があって硬い。 撮影:(2006.10.22. 宮崎市)
画像16 茎は他のハギと同様に縦に浅い筋が出て皮目状小突起が多い。
撮影:(2009.9.21. 延岡市)
画像17 茎は上部で四方に分枝し、さらに多くの細い枝が出てゆったりと長く垂れ下がる。
撮影:(2009.9.21. 延岡市)
画像18 花が終わったばかりの若い果実。豆果は広倒卵形。 撮影:(2009.9.27. 延岡市) 画像19 豆果は長さ8ミリほどの扁平形で、中に種子が1個ある。 撮影:(2006.10.9. 延岡市)
(参考) ツクシハギ:ガク裂片の形、旗弁と竜骨弁の長さの違い。 撮影:(2009.9.27 延岡市) (参考) ヤマハギ:ガク裂片の先が尖る。旗弁が竜骨弁より長い。 撮影:(2008.9.1 高千穂町)
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