FILE NO 427 宮崎と周辺の植物
ツルウメモドキ Celastrus orbiculatus Thunb.
蔓梅擬 ニシキギ科
撮影日 2009.12.17
撮影場所 高千穂町

 北海道〜琉球までと朝鮮半島、中国に分布するという雌雄異株の落葉性右巻き藤本で、宮崎でも山野の林縁等で普通に幼木はよく見かけるが、目立つ果実をつけた蔓を見ることは案外と少ないと感じるが、雌株が少ないのだろうか。
 熟して仮種皮が見えた果実は特に美しく、生け花の花材になるなど鑑賞用に販売されることも多い。
 和名は、梅に似ているところがあるという樹「ウメモドキ」のようだが蔓になっているの意味で、ややこしい。
画像1 寒くなって葉を落とした枝の先にぎっしりとついた派手な果実
画像2 葉腋から出た短い集散花序に地味な花が数えられる程度つく。
撮影:(2008.5.31 高千穂町) 
 
画像3 蔓は長く伸びて多くの枝を出しながら絡み合って一つの
     集団状態になる。長い蔓の基部はしっかりとして太い。
撮影:(2011.11.27 小林市)
画像4 雄花。長さ2cm程度の集散花序に数個の花をつけるが殆ど目立たない。メバナ画像の感じはテリハツルウメモドキを参照。 
撮影:(2008.5.31 高千穂町)
画像5 ガク裂片5には小鋸歯がある。花弁5は差し渡し7〜8ミリで、花柄下部に関節のあることがテリハツルウメモドキとの大きな違い。
撮影:(2008.5.31 高千穂町)
 
画像6 落葉前の黄葉した葉が混じる蔓と裂開前の黄色い果実。
      裂開果実の果肉状仮種皮は甘みよりもえぐみの方が強い。
撮影:(2012.11.30 日南市) 
画像7 葉は楕円状で先は急に短く尖る。鋸歯は浅く全縁につく。葉柄2cm、葉身は8cm前後。 撮影:(2012.11.27 日南市) 画像8 浅い鋸歯の先は内側に曲がって丸みを帯びる。全体薄くて網目状の脈が良く見える。
撮影:(2012.11.27 日南市)
画像9 葉の上面。カサカサした感じで全くの無毛、裏面も同様に無毛。
撮影:(2012.11.27 日南市)
画像10 葉柄も無毛。2年枝以降の枝は淡い赤褐色を帯びて円滑で皮目は目立たない。
撮影:(2012.11.27 日南市)
画像11 古くなった枝は灰褐色になり皮目が目立つようになる。
撮影:(2012.11.27 小林)
画像12 基部近くの樹皮は真っ直ぐで縦に不規則な隆起を作って、一見蔓には見えない。
撮影:(2012.11.30 日南市)
 画像13 果実は直径7〜9ミリほどの黄色い球形で先端に花柱残骸が残る。
撮影:(2012.11.27 日南市)
   
画像14 果実が熟すと果皮が3つに裂開して直径7ミリほどの橙赤色に包まれた種子が露出する。 撮影:(2012.11.27 小林市)    画像15 仮種皮はやや厚みのある果肉状で3つに裂ける。それぞれの中に長楕円状の種子が1個ある。撮影:(2012.11.27 小林市) 
   
画像16 左から果実 果皮が裂開して仮種皮が見えた果実 仮種皮と
         中に透けて見える種子 右端は長さ4ミリほどのしわのある種子。 
撮影:(2012.12.1 日南市採取分を自宅で) 
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