FILE NO 285 宮崎と周辺の植物
ハゼノキ Rhus succedanea L.
櫨の木 ウルシ
撮影日 2010.11.21
撮影場所 須木村

 
本州の関東南部以西と、四国、九州、琉球まで、台湾~中国~インドにかけて生える落葉性の高木で、本州のものは蝋を取るために栽培されたものが野生化したと言われているが、日本のハゼノキは全てが野生化したものという説もある。
 ハゼ、リュウキュウハゼと呼ばれ、ロウノキとも呼ばれるのは、果肉の繊維中にあるロウ物質を蝋燭の原料とするために江戸時代初期に中国のハゼノキが輸入されて栽培改良されて来たことによるといわれている。
 古歌に詠まれたハジモミジは、ヤマハゼやヤマウルシのことらしいが、ウルシ属の仲間のその他の
ツタウルシヌルデも秋には紅葉して皆良く似ている。
画像1 晩秋の紅葉はモミジにほどの風情はないが真っ赤になって美しい。 かぶれるので近接画像は少ない。
画像2 高さ15m近くもありそうな樹の枝先の紅葉と果実を見上げた画像。
    やがて紅葉は枯れて落ちるが果実は遅くまで残って鳥の餌になる。
    撮影:(2010.11.23 宮崎市
画像3 奇数羽状複葉の葉腋から伸びた花序を見上げて撮った画像。
撮影:(2008.5.25 高千穂町
画像4 葉腋からでる円錐花序は長さ15~16cmほどで小さな花は淡黄色。花は雌雄異株でこれはオバナ。
撮影:(2009.5.30 三股町
画像5 オバナは5裂した花弁が反り返るが差し渡し5ミリ弱。オシベ5個は2.5ミリほど真っ直ぐ立ちあがる。 撮影:(2009.5.30 三股町
画像6 葉は互生するが枝先に集まり、40cm以上にもなる奇数羽状複葉となる。
     小葉は多くて8対ほどが出て、新葉の時期にも一部は紅葉することがある。
撮影:(2010.11.23 宮崎市
画像7 葉の上面。長さ11cmほどで先は細く長く尖る。小葉柄は長さが3ミリほどで鋸歯はない。
撮影:(2010.11.23 宮崎市
画像8 (葉の上面)両面とも無毛で、良く似たヤマハゼは両面に毛があることで見分けられる。
撮影:(2010.11.23 宮崎市
画像9 赤みを帯びた若い葉の下面。若い樹では鋸歯のある葉がでることもある。
撮影:(2010.11.15 宮崎市
画像10 毛が殆ど無い成葉の下面。 かぶれる虞はあるが手で触ってみるとヤマハゼとの違いが直ぐに分かる。撮影:(2010.11.23 宮崎市
画像11 1mに満たない幼木でも晩秋になれば鮮やかに紅葉し、葉軸までも赤くなる。
撮影:(2010.11.15 宮崎市
画像12 独得の色合いの果実は葉腋からいかにも重そうな感じでぶら下がる。 撮影:(2005.10.22 国富町 画像13 果実は丸いもの、平べったいものなど変化の多い1cmほどの偏球形。撮影:(2006.2.11 綾町
画像14 途中で折った葉軸から滲み出た樹液。成分のウルシオールがかぶれの原因らしい。
撮影:(2010.11.23 宮崎市
画像15 取れた小葉の葉軸部から滲出して溜まった樹液。 マンゴーやカシューナッツもウルシ科植物。 撮影:(2010.11.23 宮崎市)
画像16 若い幹や枝には縦の皮目が多いが樹皮は平滑。 撮影:(2010.11.15 宮崎市 画像17 老木の樹皮は灰褐色で縦に裂け目がはいる。
撮影:(2010.11.15 宮崎市
画像18 (参考)ヤマウルシの葉。葉軸は赤褐色で丸みの強い楕円形の葉にも柄にも毛が密生する。
撮影:(2008.6.21 小林市
画像19 (参考)ヤマハゼの葉。 ハゼノキとそっくりだが、披針状長楕円形の葉にも柄にも毛が多い。
撮影:(2007.5.18 日南市)
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