FILE NO 243 宮崎と周辺の植物
イヌガシ Neolitsea aciculata (Bl.) Koidz.
犬樫 クスノキ科
撮影日 2014.3.2
撮影場所 宮崎市

  千葉県以西~琉球、朝鮮南部に分布する雌雄異株の常緑性高木、同じクスノキ科のタブノキシロダモヤブニッケイによく似ていて花の時期を除けば見分けにくい樹と言えるが、宮崎では県全体に広く自生している。
 別名マツラニッケイともいうそうだが、ヤブニッケイの別名もマツラニッケイとされており、よく分からない。ただヤブニッケイの別名の方は佐賀県松浦地 方での呼び名から来ているらしく由緒ある別名といえる。大和本草にはイヌガシで簡単な記載のみある。 
画像1 日当たりのよい道脇で高さ3mほどの樹に咲いた雄花
画像2 開花すると小さな花がぎっしりと集まって一つ一つの花が良く
     分からないが、蕾の時は花のつき方も含めて比較的分かる。
     撮影:(2007.2.24  小林市) 
画像3 横にも大きく枝を広げた高さ5mほどの樹に咲いた花。
      時に高さ50cm程度の若木にも赤い花が咲いて目立つ。
撮影:(2006.2.25  小林市)
 
画像4 以下画像は全部オバナ。枝を取り巻くように密生して咲いた雄花。1個の花序に9個前後の小さな花がついている。撮影:(2006.2.25  小林市)     画像5 雄花。暗紅紫色の花被片4個、オシベ6個で、葯が4室。内側2本のオシベの基部に黄色の腺体が見える。撮影:(2006.2.25  小林市)    
 
画像6 子房部が長さ約2ミリ、花被片からオシベ先端までが3ミリほど。オバナのメシベは結実しない。
撮影:(2006.2.25  小林市) 
  画像7 蕾時点でのまとまった花序の中に数個の花のつぼみが見える。丸い総苞片は5~6個。
撮影:(2006.2.25  小林市)  
 画像8 葉のつき方の特徴で互生する葉は枝の先端に集まってつく。
撮影:(2006.2.25  小林市)  
 
画像9 (葉の上面)光沢が強くて3脈が目立つ。葉は長さ10cm前後で内葉柄部が約1~2cm、先は細まって尖る。撮影:(2006.2.25  小林市)      画像10 基部は楔形で自然に細まって葉柄に納まる。葉縁は脈が縁取られたように見える。
撮影:(2006.2.25  小林市)   
 
画像11 (葉の下面) ロウ物質に覆われて粉白色、3脈が隆起して目立つ。鋸歯は無い。
撮影:(2006.2.25  小林市)    
  画像12 陽に透かして見ると葉脈が細部までよく見えて透視性は良好。葉はこじんまりして整形。
撮影(006.2.25  小林市) 
 
画像13 枝先近の新枝は緑色だが、やがて全体が淡灰褐色に覆われて緑色は見えなくなる。
撮影:(2024.1.24 小林市)
画像14 樹皮は濃い灰褐色で、丸い微細な皮目に覆われて全体は平滑。
撮影:(2014.1.24 小林市)
  
 
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