FILE NO 200 宮崎と周辺の植物
キジョラン Marsdenia tomentosa Mort. et Decne.
鬼女蘭 キョウチクトウ科
撮影日 2012.1.24
撮影場所 宮崎市

 千葉県以西、四国、九州~琉球、朝鮮南部の林内に生える常緑のつる性多年草で、宮崎でも山道等を通ると、地面を這った蔓や、高い樹から垂れ下がった蔓がよく目につく。
 種小名「tomentosa]は「密毛がある」の意味というが、漢名「鬼女蘭」で、鬼女がふり乱した髪の毛に見立てたという種子につく長い毛を指したわけでも無かろう。
 蘭がついた理由は見当もつかないし、またこの葉がアサギマダラの食草というのも意外な組み合わせだが、他にも未だ隠された特質があるのかも知れない。
画像1 鬼女の髪の毛に見立てた種子の冠毛。種子は画像15を参照 サカキカズラの種子も参照
画像2 見上げる樹から下がった蔓の花序は大きな葉の陰に隠れる。
撮影:(2008.8.16  川南町) 
画像3 蔓は5~6mほどの高さまで這い上ってぶら下がったり、
       枝を伝わって伸びるが分枝は少なく単純で葉が目立つ。
撮影:(2012.1.23  川南町) 
画像4 花序は葉腋から3~4cm伸びて多数の蕾が一つの集団となってまとまる。
撮影:(2008.8.16 川南町) 
画像5 花序は散形状に蕾をつけて順次開く。花柄やガク等には微小な軟毛が密生する。
撮影:(2008.8.16  川南町) 
     
画像6 花は花冠が5裂するが平開せず、差し渡し4ミリほどの大きさ。撮影:(2008.7.13 宮崎市)  画像7 花冠の喉部には毛があり、副花冠5個は直立している。 撮影:(2008.7.13  宮崎市) 
 
画像8 対生する葉は先の尖った卵形で、葉柄は長さ5~6cm。
      艶のある緑色で、遠目には感じがハスノハカズラに似る。
撮影:(2012.1.23  川南町)  
画像9 この葉は長さ12cm幅10cmほど、厚みはあるが柔らかく、縁はやや波打っている。
撮影:(2008.7.13 宮崎市) 
画像10 葉の下面。ルーペでは上面ともに白い伏毛が疎らで、脈上にはやや多い。
撮影:(2005.1.10 綾町) 
画像11 葉柄は柔らかく緑色だが、細い蔓は表面が灰白色。撮影:(2005.1.10 綾町 )  画像12 初め緑色の蔓はやがて樹皮が灰白色のの表層に覆われる。撮影:(2012.1.23 川南町) 
画像13 蔓の表面の色の変化。蔓は段々堅くなる。伏毛は残る。 撮影:(2012.1.23 川南町) 画像14 基部近くの樹皮。皮目が小突起状に成長して膨らむ。撮影:(2012.1.23 川南町) 
画像15 枯れ残った不完全な成熟果実で長さ約10cm、中に変形した種子がある。
撮影:(2012.1.23 川南町) 
画像16 扁平な種子は長卵体型で長さ1.2cm、冠毛は長さ4cmほどになる。
撮影:(2012.1.23 川南町)
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