FILE NO 676 宮崎と周辺の植物
ナワシロイチゴ Rubus parvifolus L.
苗代苺 バラ科
撮影日 2012.5.24
撮影場所 宮崎市

 北海道〜九州までの日本全土と台湾〜朝鮮〜中国にかけて広く分布する落葉性の小低木で、日当たりのよい草地で蔓状の枝を四方に長く伸ばして這いまわる。
 和名は苗代を作る頃に赤いイチゴができるからと言われ、美味しいというほどの味には思えないが、田の畦や周辺草地が生育の適地で、苗代作業の中で目について休憩時に口にしたことと思われる。
 枕草子に出てくる子供たちが食べるイチゴはこのイチゴとされている。
画像1  日当たりのよい川の堤防コンクリート面まで這い上った枝
 画像2 近寄って見る花はピンクがかった小さな可愛い花で、
    小花瓶に飾ってもと思うが棘と野性味が強すぎる。
 撮影:(2009.4.19 宮崎市) 
画像3 堤防平地部から長い枝をコンクリート斜面に伸ばし葉を広げた株。
 撮影:(2012.5.24 宮崎市) 
画像4 花は淡い紫色で長さ7ミリほどの花弁5は立ってオシベを隠すように包んで開かない。
撮影:(2009.4.19 宮崎市) 
画像5 花弁を手で取り除いたら中にギッシリとオシベ等が立っている。萼片は反り返る。
撮影:(2009.4.19 宮崎市) 
画像6 周囲の葉に負けないよう立ち上がった枝に展開した花と葉。
       花枝に出る葉は3小葉となるが通常の徒長枝では5小葉が多い。
撮影:(2012.5.24 宮崎市) 
画像7 小葉は頂小葉が最大で長さも幅も同じ4cmほど、縁の荒い欠刻と鋸歯は大小いろいろ。 撮影:(2012.5.24 宮崎市)  画像8 (下面)大小の脈も含めて綿毛で目だって白い。4cmほどもある葉柄には小さな棘がある。撮影:(2012.5.24 宮崎市) 
画像9 葉柄も含めて植物体には白っぽい軟毛が密生、棘は小さいが鋭く痛い。
撮影:(2012.5.24 宮崎市) 
画像10 葉柄基部には長さ5ミリほどの托葉が残り。茎につく棘は固くて鋭い。
撮影:(2012.5.24 宮崎市) 
 
画像11 果実は5〜6月赤く熟し、やや小さいがクマイチゴの果実に似る。
       樹イチゴの仲間だが樹イチゴというよりは草イチゴのように見える。
撮影:(2012.5.24) 宮崎市
     
画像12 果実は大きさ1cm強の集合球状になり花柱残がいの毛が残っている。
撮影:(2012.5.24) 宮崎市
  画像13 果托は食用部の集合果が落ちても残り、果托は面のなだらかな円錐状。
撮影:(2005.7.3) 宮崎市 
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